子供を殴るな!
昨日は朝から炎天下でテニスのダブルスを連続3セット。昼過ぎには息子のパスポート更新に向けて、外務省のホームページからダウンロードした申請用紙のプリントアウトで、慣れないウィンドウズマシンと悪戦苦闘。その後休む間もなく日本語教室...。いつになく疲れてしまい、夕刻仮眠を取ったものの、とても夕食を作る気力はなし。珍しく夕飯は家族で外に食べに行きました。
自宅から車でほんの5分ほどのレストラン「ゴールデン・フード・パーク」。シライ市内では一番のフィリピン家庭料理の店で、忘れもしない20年前に家内の両親に「お嬢さんをください」プレゼンを決行した場所です。当時はひなびた田舎町の惣菜屋さん、みたいな風情でしたが、最近は改装してエアコンも入りずいぶんきれいになりました。
レストランの半分ぐらいは、ガラスの扉で仕切られた半プライベートな場所で、時々パーティが開催されたりします。昨日は土曜日の夜。私たちが到着した7時頃には、誰かのバースディパーティの真っ最中でした。4人のバンドの生演奏もあって、なかなかいい雰囲気。
ところが、それに冷水を浴びせかけるような、ちょっとした事件が。私たち家族3名の隣に居合わせた夫婦らしき男女と、その子どもと思われる5歳ぐらいの男の子、そして子守役のメイドさんが座りました。フィリピンでは別段珍しくもない家族連れ。
何があったのかは知りませんが、その男の子が店に入ってきた当初から号泣状態。メイドさんが抱っこして外であやしたり、苦労してるなぁと思ってたら、突如父親がキれた。それも幼い我が子を叱るというような感じではなく、酔っ払いが大人相手に口論してるのかと思うほどの勢い。そして子供の頭を平手でバシバシ殴りつけ始めました。
30歳になったかどうかの若い父親。Tシャツの袖口からは、刺青が見え隠れ。その上、本当に酒でも入っているのか目がすわってます。殴られた子供は、当然さらに激しく泣き叫ぶし、なぜか母親は表情も変えずに黙って見てるだけ。メイドさんも何もできずに呆然。
これはなんぼなんでもアカんで...。と感じたのは私だけではなかったようで、少し離れたテーブルにいた別のお客さんの中年女性が、怒り心頭で間に割って入りました。「あんた、何してんの! こんな小さな子供殴ったら可哀想やんか!」
もちろん本当は現地の方言のイロンゴ語でしたが、後で家内に聞いたら女性がまくし立てたのはこんな内容。
この女性客、なんとなく小学校の先生風で、さすがの父親も先生に怒られた小学生のように静かになりました。ちょうどその時、バンドが演奏してたのがスザンヌ・ヴェガの「ルカ」。この曲は1987年に、虐待を受ける子供の視線で書かれた異色のヒットナンバー。偶然にしては出来過ぎです。
それにしても、フィリピンでは子供はずいぶん大事にされていて、私の家内も含め、人前であっても子供を抱きしめたりキスしたりの愛情表現をするのが普通。どちらかというと、甘やかせ過ぎの親が多い印象です。レストランで小さな子供を殴る父親なんて、初めて見ました。それより怖かったのは、何の感情も見せずに子供が殴られているのを見ていた母親。フィリピンでも、こんな親がいるんですね。
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