2016年2月1日、丸の内にフィンテックの「聖地」が誕生したようです。
加熱するフィンテック、日本の「聖地」に潜入!(ダイヤモンドオンライン)
これは「FINOLAB(フィノラボ)」。フィンテック関連の企業育成のためのオフィスです。もう多くの企業が入居を決めているとのこと。でも聖地は言い過ぎですね。
まぁ先ほどの記事は最終的に「週刊ダイヤモンド」の宣伝になっています。が、少し気になったのが
”フィノラボには、会社のプロジェクトやリサーチを任された銀行員らの悩みも転がり込んでくる。ある地方銀行の行員は、まだ誰も唾を付けていないフィンテック企業を探すというミッションを課せられ、もん絶する日々を本誌に明かした。”
”ある政府系金融機関でもフィンテックを管轄する専門組織を立ち上げようとしているが、まだ組織がないのに、予算だけが先行しているという。”
正直、これがどこまで本当かは判断しかねます。(特に政府系のところ。政策投資銀行?政策金融公庫?商工中金?)ただ銀行などの金融機関は、この勢いに乗っていきたい思いは絶対にあるでしょう。「融資、出資先を見つけたい。」だったり「技術を取り込んでいきたい。」と思っているはずです。
メガバンクは、かなり注力してますね。各行も専門部署を立ち上げるなどしています。
三菱UFJ銀、独自の仮想通貨を開発中 コスト減へ期待(朝日新聞)
2月には、三菱UFJ銀行がビットコインを支える技術である「ブロックチェーン」を利用した行内の仮想通貨を開発しているというニュースがありました。
一方で地銀はどうでしょうか。
2015年8月、静岡銀行はSBIホールディングスと、家計簿アプリで多くの利用者を獲得しているマネーフォワードに出資。
2015年12月、SBIインベストメントが設立した「フィンテックファンド」。これには大手金融機関なども出資していますが、地銀だと横浜銀行や山陰合同銀行など。その後も北都銀行が出資していたりします。
地銀もベンチャーに出資、提携、協業を進めていますね。
マネーフォワード、群馬銀行および滋賀銀行との業務提携を開始(Money Forward)
たまにフィンテックを推し進めるベンチャーと既存の金融機関を対立させるような記事がありますが、私は潰し合うことは当分ないと思っています。金融機関がベンチャーに出資して新しい力を借りようとしていることは先ほど書いた通りです。ベンチャー側にとっても、多くの顧客を抱えた金融機関は魅力的です。
ベンチャーと提携した銀行などはベンチャーのサービスを顧客に利用するよう推進したりしています。また以前このブログで書いたように、新しい融資サービスの開発などお互いに協力しあっています。(銀行融資が大きく変わる。freeeが変える。)
あと少し興味深いのこちらです。
LINE前社長と顧問契約 静岡銀行、フィンテック事業強化(静岡新聞)
LINEの前社長、C Channelの森川CEOと顧問契約を結んでいます。ここまで見ると静岡銀行は、地銀の中でもかなり積極的にフィンテックに注力していますね。
今回はザッと金融機関から見たフィンテックについて書いてみました。静岡銀行は地銀再編が活発化している中、動いていない銀行の1つです。このフィンテックへの力の入れ方は何か関係があるかもしれません。
もう少し暇つぶし…
現在、フィンテック関連にはかなりの額のお金が集まっています。「フィンテックファンド」だけでも設立当初で150億円と言われています。それに対し国内のフィンテック関連のベンチャー企業は、だいたい100社と言われています。たったの100社です。
ファンドだけでなくフィンテックベンチャーに出資している会社はあります。また個人投資家も含めて考えると、ものスゴイ金額が集まっていることが分かります。
なぜこんなにお金が集まる分野なのに企業の数が少ないのでしょうか。それはお金を扱うからです。IT企業はサービスをリリースして改善をしていく、という考えが強いですが、お金を扱うフィンテックはより完成度を高く、世に出す必要があります。なかなか大変そうです。
でも逆に何か良いアイディアがあれば時の人になれる可能性もありそうですね。
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