その間、南相馬に泊まった夜を通算すると1ヶ月を超える。
これだけ長くいると「行きつけの店」というのができる。
もっかのところ、
ぼくが一番気に入っているのが「この花」である。
「この花」は原ノ町駅に近い裏通りにある。
誰かに教えられなければ、まずたどり着くことはできない。
おいしい店だと聞いてはいたが、
ぼくが南相馬に通い始めた8月には、
大将は避難生活を送っており、店は開いていなかった。
再開したのは9月の初め頃だったろうか。
さっそく行ってみたが、噂通り、何を食べても旨いし、安い。
スタッフも大いに気に入って、その後、何度となく訪れている。
何度目かに行ったときにレバ刺を食べた。
どちらかといえば無口な大将が
「これほどのレバーはまたいつ入るかわからない」と勧めてくれたもの。
とろけるほど甘く、絶品だった。
以来、大将の言葉通り、何度行ってもレバ刺はメニューにない。
また食べたいぞと強く意思表示をしていたら、今夜用意してくれた。
メニューには載っていなかったので、
予約していたぼくたちのためにわざわざ仕入れてくれたのだろう。
写真は一人前だが、
やはり美味しかったので、後でもう一人前追加して食べた。
一緒に注文した寒ブリの刺身も脂が乗った上物で、これもお替り。
ほかにポテトサラダ(これがなぜかまた旨い)などを注文した。
日本酒も「飛露喜」や「阿武隈」など地元福島の酒を中心に揃う。
ビールがアサヒドライであることを除けば、非の打ち所のない店である。
とてもいい店なので、人気があり、
予約しておかないと入れないことも多い。
ぼくたちは帰るとき次回の予約をしていくのが習慣になった。
気が早いようだが年明けの予約を入れて、店を後にした。
コメント
コメントを投稿