FX、株、商品等では信用取引が可能です。
この信用取引の特徴は、自分の持っている資金を証拠金にして、それ以上の資金を借り入れて投資できることです。
信用取引を使い、例えば自己資金の3倍の資金を借りて(←借金ですよ!)投資すれば、儲けも損も3倍になります。これをレバレッジ3倍といいます。
信用取引を始める全ての人は、このレバレッジの仕組みと危険性の説明を十分に受けているはずで、理解しているわけですから「高レバレッジはヤバイ」ということは頭では分っています。
しかし、それでも破産してしまう人が後を絶たないのは、実はこのレバレッジが「動く」という点をついうっかり忘れてしまいがちだからではないかと思います。
信用取引におけるレバレッジは、ポジションを建てた時は安全を見て2倍のレバレッジでも、うっかりしていると思ってもいないような、3倍とか5倍とかの高レバレッジに勝手になることがあるのです。
なぜこんなことが起きるのかというと、レバレッジの計算式
「レバレッジ=リアルタイムのポジション評価額÷有効保証金」
の、この分母の「有効保証金」というのが特に曲者なのです。
有効保証金はリアルタイムに値洗いされ、その時点の損益が反映されます。すると相場が自分のポジションが不利な方向に動くと有効保証金は減ってしまいますので、分母が減ることでレバレッジが上がります。
ちょっと具体的な例を挙げます。
FXで100万円の証拠金で1$=115円の時に3万ドルを買ったとします。
買った時のポジション評価額は115×3万でJPY換算で345万円。有効保証金は買ったばかりですので100万円。すると、
345万÷100万円=レバレッジ3.45倍。
為替のボラティリティに限って言えば取り立てて危険な水準ではないと思います。
しかし、これが6ヶ月後に運悪く1$=100円になった時を考えてみます。
ポジション評価額は100×3万でJPY換算で300万円。有効保証金は100万円から現時点の損益(-45万円)を値洗いした55万円+その間についたスワップ収益(70円×180日)で計562,600円。すると、
300万÷56万2600円=レバレッジ5.33倍
となり、レバレッジが上昇します。ほったらかしにしていただけでこうなります。
このように分母が一旦減りだすと急激にレバレッジは上がってしまうので、いつの間にか危険水準に突入していた、なんてことが起きてしまいます。
皮肉なことに、低レバで安全運転投資の場合ほど、相場をいつも監視しているわけではないので、気付いた時にはアウト、ということが起こりやすいです。
レバレッジは1倍以上はみなギャンブルとまでは言わずとも、レバレッジは例え2倍でも、掛けた瞬間に短期投資用ポジションという認識を持っていたいです。
もし、長期ポジでレバレッジを使う時は、レバレッジが上がった場合は一部を損切りして適性なレバレッジにもどすというメンテナンスを月1回くらいはする必要がありそうです。
コメント
コメントを投稿