去年の11月以来、久しぶりに羅臼の海に潜った。
ここ数日、釧路も羅臼も、
「蝦夷梅雨」といいたくなるほどの雨模様で、
きょうも雨が降って、気温は10℃そこそこと寒い。
雨はどうせ海に潜れば濡れるからいいのだが、
水温が5℃前後と低く、
指先やつま先が痺れてくるのには参った。
指先やつま先が痺れてくるのには参った。
まず、42mの深みにアバチャンを見に行く。
アバチャンはクサウオの仲間の深海魚で、
全身がプヨプヨというかポニョポニョ系。
冬のあいだを水深40mの水域で過ごし、
もうじき深海に姿を消す。
その最後の姿を一目見ようと
深いドロップアウトの壁まで潜っていった。
水は冷たく、海は暗いが、
妙な魚との出会いは愉しいものだ。
妙な魚との出会いは愉しいものだ。
羅臼の海のこの季節はベビーラッシュで、
ナメダンゴやホテイウオ、クサウオなどの
稚魚がうようよとひしめいている。
褐色の海藻・オキツバラのうえは
まさに彼らのゆりかごである。
大変可愛いのだが、
体長が5mm前後と“老眼泣かせ”で、
ぼくの目では、いるのは判るものの、
どんな表情をしているかまでは無理である。
陸に上がってから撮ってきた写真を見て
初めて「あ、こんな顔してたんだ」と納得をする。
初めて「あ、こんな顔してたんだ」と納得をする。
ナメダンゴの稚魚たちは
この海で1〜2cm大まで育ち、
やがて人知れぬ深い海へと姿を消す。
そして、5cm程度の大きさにまで成長して、
卵を産むためにまた羅臼の海に帰ってくる。
同じ海に10年以上も潜っていると、
そうした繰り返しに立ち会うことになり、
魚たちのライフサイクルが解ってくる。
彼らの人生(?)に思いを馳せ、
愛情もひとしお深くなろうというものだ。
冷たい海に2本潜って、
羅臼温泉(「峰の湯」…ここの温泉は最高!)で体を暖め、
羅臼温泉(「峰の湯」…ここの温泉は最高!)で体を暖め、
夜は医療問題をテーマにした講演を行う。
テーマは、
先日放送した番組のタイトルそのままで
「地域医療再生の処方せん」。
先日放送した番組のタイトルそのままで
「地域医療再生の処方せん」。
番組の視聴率は0.6%だったし(涙)、
地味なテーマで
講演者も無名のTVディレクターとあっては
40〜50人も集まれば上々だと思っていたら、
講演者も無名のTVディレクターとあっては
40〜50人も集まれば上々だと思っていたら、
なんと100人を超える人たちが集まってきて、
用意した椅子が足りなくなるという盛況となった。
用意した椅子が足りなくなるという盛況となった。
人口6200人の町としては大入りの部類で
(主催者の一人が「有権者の50人に1人」だと話していた)、
(主催者の一人が「有権者の50人に1人」だと話していた)、
話をするぼくも熱が入り、
また集まってきたみなさんも本当に真剣に聞いて下さった。
また集まってきたみなさんも本当に真剣に聞いて下さった。
手応えがひしひしと伝わってくる感じで、
やはり医療問題に対する関心が深いのだろう。
やはり医療問題に対する関心が深いのだろう。
(羅臼では一年前から町内で入院できなくなり、
また夜間休日の救急の受け入れができなくなっている。)
また夜間休日の救急の受け入れができなくなっている。)
主催者の「羅臼地域医療研究会」のみなさんも
「大成功だった」と上機嫌で、
「大成功だった」と上機嫌で、
打ち上げは、ズワイガニや生ウニ、
トキシラズ(この時期沿岸に近づいてくる鮭で美味)など、
トキシラズ(この時期沿岸に近づいてくる鮭で美味)など、
「魚の城下町・羅臼」の誇る海の幸をたらふくご馳走になった。
そのうえ望外の講師料までいただき恐縮したが、
ちょうどダイブ・コンピューターが壊れてしまったので、
先日の島根旅行で世話になった向きに送る羅臼昆布と合わせ、
「羅臼でもらったお金はすべて羅臼で落としていく」
ということになりそうだ…。
ということになりそうだ…。
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