きょうは朝から雨。
ぼくは相変わらず編集室に缶詰の毎日である。
午後からの出勤で
いつもの通勤路を会社に向かっていると、
代々木公園の雨に濡れた新緑が
とても美しく思えて写真を撮ることにした。
傘をさしながら
鞄の中から
カメラ(きょうはOlympus)を引っぱり出して、
慌ただしくシャッターを押す。
鬱陶しい雨も
ときには素敵なものに思えることがある。
編集室に入って第四稿を作る。
1分20秒オーバーまで尺を詰めて、16時試写。
プロデューサーのM君、デスクのS君に見てもらう。
試写をしながら、これはやっぱり苦しいな…と思う。
我ながら完全に詰め込み過ぎで、内容が腑に落ちる前に話が次に進んでしまっている印象。
(S君は後で「まるでジェットコースターみたいな番組だった」と話していた…笑)
これはちょっと抜本的に考え直さなければダメだな、と内心思いながら試写を終えた瞬間、
M君、S君が「え!?…もう終わりですか?」と怪訝な表情をする。
「90分枠だとばかり思っていました」とのこと。
「ETV特集」には放送時間が60分と90分の二つの枠があるのだが、
ぼくは60分枠にあてて企画を書いたことが頭にあったので、すっかりそのつもりで確かめていなかった。
S君に確認してもらうと「90分枠でした」という。
これはえらいこっちゃ。
1分20秒オーバーどころか、ほとんど30分短く作ってしまっていたのである。
ぼくは根がおっちょこちょいなので、いままでにも1分間違えて作った“前科”があるのだが、
さすがに30分間違えたというのは記憶にない。
もしかしたら世界新記録ではないだろうか。
放送が23日だから、編集期間を延ばしてもあと一週間しかない。
5分や10分ならともかく、30分というのはちょっとした番組1本分の時間である。
一週間で果たして穴埋めできるかどうか…
プロデューサーのM君は心なしか青ざめた顔で、
「編成(放送計画を決めるセクション)に頼んでどうにか短くしてもらいましょうか?」という。
ぼくは立ち直り(というか開き直り)が早い性格だから、「やるしかないんだろ?…やろうよ」と答える。
番組のテーマは「地域の身の丈を超えた病院を作ってしまったことから起こる波紋」で、
青森県の十和田市と千葉県の東金市(こちらはこれから病院を建てる…)のケースを追いかけている。
それぞれのケースをきちんと仕切り、ことがらの意味を確認しながら話を進めていくためには、
60分ではとてもではないが足りないと思っていたところである。
失態を奇貨にもうちょっと自分で納得できるものに作り直そうと思ったのは、
プラス思考の度が過ぎるというものであろうか。
普通なら胃袋が攣り上がるところだろうが、笑っていられる自分が不思議である。
さっそく関係者に連絡を取って、13日〜15日に十和田で追加ロケを行う段取りをする。
話の交通整理をする役割が必要なので、自分で出演して現地リポートをすることにした。
ぼくはテレビに出て喋った経験が結構あるので周囲からは「出たがり」と見られているようだが、
本当は自分の顔をさらすのは嫌いである。
しかし、こうなるとそうも云っていられない。
飛行機や宿の予約、移動に使う自動車の手配をする一方で、
編集マンの「ほっちゃん」と番組の全体構成を組み直していく。
十和田市立中央病院の蘆野吉和院長に電話をして協力を要請する。
「放送時間を30分間違えたので…」と説明したら、「そんなことがあるんですか?」と驚いておられた。
普通は呆れるよな、やっぱり…(爆)。
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