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きのう釧路を午まえの飛行機で発って、
東京、仙台を通り越して鳴子温泉郷に入った。
二週間前に初めて訪れてすっかり気に入ってしまい、
ちょうど紅葉も見頃ではないかと期待して、
28mmレンズのSigma DP1を持参してきたのである。
羅臼でのダイビングで結構疲れていたのに加え、
(10kg超のウェイトを身につけて
 波のなかを陸に這い上がるのはゆるくないのだ…)
釧路の自宅で庭の雑草を抜き砂利を敷いたので、
全身が筋肉痛になっており湯治気分も働いている。
泊まったのは東鳴子温泉赤湯の旅館大沼である。


なかなかいい雰囲気の木造旅館で、
鉄筋の湯治棟を併設している。
泉質が違う複数の内湯があって、
朝には、
宿から歩いて数分のところにある
貸し切り露天風呂にも案内してくれた。
ぼくが気に入ったのは大浴場の「千人風呂」で、
混浴の、如何にも湯治場らしい素っ気ない雰囲気がいい。
(壁面にはなかなか見事な天女の絵が描かれている。)
お湯は「含食塩・芒硝重曹泉」で、とても体が温まる。
宿の人たちが親切で、
山の幸を中心にした食事も旨かった。

きょうは、
宿の近くの鳴子御殿湯駅から列車で二駅、
中山平温泉駅まで行って、そこから歩いて鳴子峡へ。



ちょっと早いかとも思っていたのだが、
紅葉はちょうど見頃だった。
たくさんの観光客が訪れている。


雄大な渓谷の景観に
紅一色ではない、
色彩のグラデュエーションが見事だ。


大深沢橋の上にはたくさんの写真マニアが
望遠レンズの砲列を並べている。
11時29分に
トンネルから出てくる列車を狙う人たちである。
早い人だと一時間以上も前に来て
三脚を置く場所を確保しているようだ。

カメラ好きなら誰でも狙いたくなる光景で、
ぼくも前回きたときに気がついていたのだが、
承知の上で28mmレンズのSigmaを持ってきている。
列車は豆粒のようにしか写っていない(上の写真)が、
三脚を担いで歩く気にはならないのですね。

紅葉の写真を撮り終えて、
中山平温泉の手打ちそば「藤治朗」で昼食。
腰のある蕎麦は悪くないが、
普通の板蕎麦に天麩羅がついてくるのが気に食わない。
蕎麦は蕎麦だけで出してほしいものだ。
バスで鳴子温泉まで戻り、
東鳴子まで歩いて、
先日も入った高友旅館の「黒湯」に入浴する。


これも「如何にも湯治場」の
素っ気なくも濃密な雰囲気がいい。
コールタールのような臭いのするお湯は癖になる。
宿のお姉さんに訊いたら大正14年の創業というから、
甘粕正彦が潜伏していた頃には
出来たばかりの真新しい旅館だったのだろう。
「黒湯」は昭和27年に掘り当てたものだというから、
甘粕は入っていないことになる。
お気の毒さまでした。



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