(勝山公園という名をようやく知った)
紅葉が盛りを超えて、
枯れ落ちる前の最後の色を留めている。
思えば、この秋は、
紅葉の写真ばかり撮っていたような気がする。
“人生の秋”の訪れを予感していたのだろうか(笑)。
病を得て、入院することになった。
57年近く生きてきて、入院は初めての経験だ。
「入院」と聞いて一番ショックだったのは、
その間は(たぶん)酒が飲めないということである。
いまのうちに一生懸命飲んでおかなければならない。
というわけで、
今宵は大町の「のんびり酒場ニコル」。
国分町の繁華街からちょっと離れたところにある。
とぼけた名前だが、大変いい店である。
坊主刈りの飄々とした主が一人で切り盛りしているが、
この主の料理の腕は並ではない。
素材をよく吟味しているうえに、必ず一工夫してある。
だから何を食べても美味しい。
「鯵のフライ」など平凡極まるメニューだが、
初めて注文したときには驚いた。
中身はほとんどナマの刺身に近い状態に保ったまま、
表面を衣に包んで揚げてあるのだ。
山葵醤油で食べるのだが、この食感は記憶にない。
そして、必ず注文するのがポテトサラダ。
ぼくはポテトサラダが大好物だが、
この店のものがいままで食べたなかで一番美味しい。
香料を使って独特の風味を出しているのが酒にあう。
その他、納豆の塩辛など、
これぞまさしく「珍味」というべきメニューもある。
酒の揃えも選りすぐったもので、
地元宮城の「伯楽星」のほか、
大阪の「秋鹿」、埼玉の「神亀」、香川の「凱陣」等。
ただ、この店にくると、
日本酒好きのぼくも日本酒ばかりは飲まない。
一杯680円のハウスワインがお奨めで、
赤白ともに日によって変わるが、
いつも驚くほど美味しいものを出してくる。
(今夜の白はフレッシュな新酒だった。)
焼酎もあまり知られていない旨い銘柄を揃えており、
主は酒に対しても大変な目利きであるようだ。
…というわけで、この店に来ると、
大概はちゃんぽんをやって酔い潰れることになる。
今夜は自重して潰れる前に店を出て、
もう一軒「Count」に寄ってJazzを聴いて帰った。
コメント
コメントを投稿