3月に入ってからブリジストンより面白いコンセプトのタイヤが発表されている。
端的に言うと1:大径で接地部分の変形を抑制することにより転がり抵抗を低減する、2:幅を狭くすることで空気抵抗を低減、というものだ。これにより経済性と安全性の両立を目指したものだ。その「ラージ&ナローコンセプトタイヤ」(155/55R19 !!)を見て思った事。
↑ これがブリジストンが発表した大径・幅狭タイヤだ、確かに見るからに細い、横から見るとペッタンコで凄く薄っぺらく見える、このタイヤの運動性能がどこほどなのか興味がある、画像はメーカーサイトより拝借
個人的には幅の太いタイヤは好みではない。簡単に言うと幅の狭いタイヤが好きなのだ、これはもう変態の領域だ。自分で乗っていた乗っていた歴代の車はなんとかして細いタイヤが装着できないかどうかを必死になって調べたものだ。ZC31Sの時は16インチより15インチにインチダウンして、195から185にサイズをダウンしてサーキットに通っていた。4駆に乗っている時も大径で細いタイヤを好んで装着していたものだ。
これには実は背景がある。
↑ これがダンロップのSP82-R、ラリータイヤなので基本はダートだがこれは硬質ダートから舗装路向けのモデル、山が高いときにはうるさくて燃費が非常に悪かった、擦り減るとブロックがよじれなくなり固いサイドウオールも手伝って良い感じにドライビングできる、画像はネット上から拝借
若い頃ラリーに嵌り日夜練習に明け暮れた時のこと、当時はKP61スターレットやEP71スターレットという小排気量コンパクトハッチバックでラリーをやっていた。このクラスの定番の装着タイヤのサイズが155/80-13だった。中でもダンロップのSP82Rというラリータイヤがお気に入りだった。このタイヤは硬質ダート向けのラリータイヤだったのだが、擦り減ってくると舗装路でのグリップとコントロール性のバランスが抜群に良い、またサイドウオールの剛性が高く舗装でも安心して攻められるタイヤだった。聞くところによると、そのコンパウンドが当時の舗装路用の今で言うSタイヤに相当するタイヤと同じということではないか。そりゃグリップも良い訳である。
まぁパワーとグリップのバランスが取れていてコントロールが楽だったという訳である。それには理由があって、ドライ路面でも滑ることが前提のドライビングだったということがある。ましてやダート路面では滑るのは当然の事だ。どんなに強力なグリップを持ったタイヤでも舗装路において滑らないということは無い。どうせ滑るのなら気持ち良く滑ってもらおうではないかということなのだ。
それにアンダーパワーの車はグリップが良すぎるとパワーが食われてタイム的にも遅くなってしまう。
そこで滑らす際(今時のドリフトとは違うが)にコントロールしやすいのは細いタイヤという訳である。非常に特殊な例だがWRCのスウェーデンラウンドのような氷の路面では非常に幅の細いスパイクタイヤ(専用の特殊なスパイク)を使用しているのをご存じだろうか。ミューの低い路面では面圧(単位面積当たりの加重)を上げてグリップを確保するのが1つの方法だ。
↑ 左がその細いスパイクタイヤ、人の手と比べて幅が細いことが分かる、おおよそ135とか145ほどの太さ、スパイクピンはチューリップとかマカロニとかと呼ばれる特殊なタイプ、先が雪面に向けてカップ型になっていてグリップを稼ぐ、右の画像はスウェーデンラリーでの新井選手、非常に細いタイヤを装着しているのが分かる、画像はネット上から拝借
今回のブリジストンのコンセプトは単に幅を狭くしたということではなく、大径にすることで転がり抵抗を低減したということではあるが、ひょっとしたらウェット路面でのグリップも期待できるのではないかと密かに期待したりする。
幅の細いタイヤを装着する時にはホイールがそのままでは引っ込みすぎたりするので(リム幅も合わさないといけないが)オフセットを慎重に調整してやる必要もあるが、うまくいけばルックス的にもそれほど今までと変わらないようにセッティングできるかもしれない。
昔は滑る際のコントロール性から細いタイヤを選択していたが、時代が変わり経済性の観点から大径で幅の細いタイヤを装着する時代になってきた。ある意味リバイバルだし、ある意味革新的で面白いものだ。
今日はこのへんで
では
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