先日は、
ブログとTwitterで息子の無事を確認している親父から
「何かあったのか?」と安否確認の電話がきた。
別に何もありはしない。
真面目に仕事をしているだけである。
いま神戸の震災復興をテーマにした番組を2本作ろうと
毎週のように仙台から神戸に通っている。
一本は1月18日のブログに書いた新長田駅前再開発の問題で、
きのうは、
神戸市役所の市政情報室にこもって、
公文書公開請求の手続きを経て入手した
神戸市都市計画審議会の議事録を読み込んでいた。
これは震災の年の3月14日に開かれたもので、
傍聴を希望する住民を閉め出して非公開で行われてる。
3月14日といえば、大震災からまだ2ヶ月も経っていない。
仮設住宅への入居がようやく始まったところで、
その日の暮らしに追われる被災者には
まだ将来の都市計画を考える余裕などあるはずもない。
当時、市の都市計画には2000通を超える意見書が寄せられ、
その大半は、
住民の意見をよく聞いて
もっと時間をかけてゆっくり決めるよう求めたものだが、
神戸市はそれを無視して
強引とも言えるやり方で復興計画を決めた。
この日の審議会で原案通り了承された都市計画のなかに
後に禍根を残す新長田駅前再開発が含まれていたわけである。
新長田駅周辺を
「西の副都心」として再開発しようという構想は
もともとバブル期の昭和61年に市が策定した
第三次総合基本計画に含まれていたものである。
(議事録と、市役所に残っていた当時のパンフで確認した。)
神戸市としては、
言葉は悪いが大震災を奇貨として、
懸案の再開発を一気に推し進めようとしたものに違いない。
当時公開されなかった審議会の議事録を読むと、
冒頭に住民8人の意見陳述があるが(全員が反対意見)、
その後はほとんど議論らしい議論もないまま
神戸市の原案をそのまま了承した“お手盛り審議会”である。
住民の意見書や陳述を一顧だにしなかったという事実が、
震災後わずか2ヶ月で都市計画を決定した
市当局の思惑を雄弁に物語っているのである。
バブル時代の発想をそのまま震災復興に持ち込んだこと、
被災した住民の現実を無視して強行した
行政主導の「復興」計画だったこと。
新長田再開発計画は、
スタートから今日の失敗を宿命づけられていたのだろう。
きょうは市立中央図書館にこもって、
当時の神戸新聞の記事から
議事録から判ったことの傍証を得る作業。
終わって、遅い昼食を、
図書館のすぐそばの「もっこす」というラーメン屋でとる。
「神戸の中華そば もっこす」という
神戸なのか熊本なのか
よくわからない名前に興味を持ったのだが、
ネギと焼豚がどーんと載った丼が出てきて驚いた。
後でTwitterで呟いたら、
神戸の人が
「神戸でもっこすを知らない人はもぐり」
というほどの有名ラーメン店だと教えてくれた。
恐れ入りました。
なかなか美味しかった、です。
Appleが突然、iBooksで日本語書籍を売り始めたので、
さっそくディヴィッド・ゴードンの「二流小説家」を購入。
これは先日、
紀伊國屋から電子書籍で買おうとして買えなかったものだ。
そのときついでに(?)
宍戸錠のモデル小説「シシド」を買ってしまったので、
Kinoppy(紀伊國屋の電子書籍ソフト)には
以前に買ったものを合わせて2冊の本が未読で入っている。
ついにiPadの中に「積ん読」が始まりつつあって、これはヤバイ。
神戸についてはもう一本、
震災後十八年の歳月を経て深刻化する
「震災孤老」の問題の取材を進めている。
新長田駅前再開発問題と同じように
これもあまり語られてこなかった“震災復興の影”の部分であり、
東北が繰り返してはならない教訓がある。
この問題については、日を改めて書くことにしよう。
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