13時50分羽田発のANAで釧路に飛ぶ。
釧路に帰ってくると、まず空港正面の寒暖計に目がいく。
きょうの気温は6.7℃、
まァこんなものだろうと思っていたから別に驚かない。
雪が降っていないだけマシというものである。
釧路に“帰って”くるのは、去年の10月末以来半年ぶりだ。
自宅があるので冬のあいだに一度帰りたかったのだが、
病み上がりということもあって、
妻に「酷寒の地」で過ごすのを禁じられていた。
多少暖かくなってきて
もう大丈夫だろうというわけで、
啓蟄のごとくANAから這い出してきたわけだ。
当然のことながら、
帰ってこなかったあいだにもローンは払い続けている。
去年は意識的に釧路で過ごす時間を増やしたが、
それでも我が家で宿泊したのは20日に過ぎない。
ローンの年間支払額を宿泊日数で割れば、
たぶん高級ホテルのスイートルーム並みになるだろう。
(そういうところに泊まったことがないので推測だw)
ぼくがなぜ故郷でもない釧路に家を建てたかというと、
これには長く悲しい物語がある。
泣いてしまうといけないので、ここでは書かない。
今年の春は例年に比べても寒いのではないか。
我が家の周りには何本かの樹を植えているのだが、
まだ芽吹いてもなく、冬枯れのままの姿を晒している。
去年、庭に針葉樹の若木を2本植えたのだが、
葉がすっかり茶色くなってしまっている。
厳しい冬を越せず、枯れてしまったのかも知れない。
まだストーブが必要なので、
薪ストーブから灰を掻き出していると、
からからに乾いた雀のミイラが出てきたので驚いた。
暖を求めて煙突に飛び込んで、
そのまま出られなくなってしまったのだろう。
「酷寒の地」で生きていくのは大変なのである。
釧路は寒いが、食べ物は旨い。
和商市場で買ってきた北寄貝、牡蛎、氷下魚などを、
長野県伊那市「富島鉄工所謹製」の鉄板で焼いて、
Jazzを聴きながら“独り炉端”と洒落込む。
いまが旬のギョウジャニンニクは
近ごろあまりお目にかからない太さのを買えたので、
茹でてマヨネーズで食べた残りは醤油漬けにする。
これで一年愉しめるはずである。
明日は雑草が生えない前に砂利を敷き込み、
庭の手入れでもしようかと思う。
書かなければならない企画書や原稿があるが、
仕事をするには静かでいい環境だ。
夜には東京から妻が来る。
ぼくが釧路で家を買ったのは独身時代で、
妻にはその“過去の過ち”を詰られ続けている。
しかし、
不景気な釧路の地価は暴落しており、
売却したとしてもかなりの額のローンが残る。
それなら、
“別荘”として少しでも愉しんだ方がいいではないか。
釧路ならではの美味しいものをたくさん食べて、
機嫌を直していただきたいものである。
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