ここのところ毎週末、温泉旅行に出かけている。
それだけ「へたばっている」ということで、
気分だけは相変わらず若いのだが、寄る年波には勝てない。
もっとも、先週は会社の送別会で秋保温泉だから、
湯は循環式で、温泉としての価値はほとんどゼロである。
今週は泉質最優先で鳴子温泉に出かけてきた。
仙台から鳴子まで高速バスで1時間半、
片道1200円の距離にこれほどの温泉地があるのは幸せだ。
泊まったのは、東鳴子温泉赤湯の「旅館大沼」で、
去年の秋にも泊まって気に入っている宿である。
去年はぼくが泊まった直後に
同僚の女性ディレクターが朝の旅番組でここを取材、
番組に出てきたので驚いたものである。
その節はFが大変お世話になりました…と御礼を書いておく。
もっとも、
宿の人たちがこのブログを読むことはないだろうが。
食事は刺身、天麩羅、鍋、茶碗蒸し…
典型的な「温泉料理」なのだが味は悪くない。
地元の酒が揃えてあるのもいい。
何より泉質がよく(加水・加温一切なしの源泉かけ流し)、
1万円以下で泊まれるのは大変ありがたい。
到着するとすぐ、
ちょっと離れたところに設えた露天風呂に案内された。
「母里の湯」と名づけられた貸切の露天風呂で、
ここも源泉100%のかけ流しである。
もうじき梅雨入りの、
湿気に濡れた緑を眺めながら一人入浴するのは贅沢な気分だ。
先々週の肘折温泉も今回も、
かみさんを東京に残しての一人旅で、
温泉で疲れを取ろうと思えば一人に限る。
ぼくは「愛妻家」だから、
かみさんを同行すると何かと気を遣うのだ。
かみさん以外の若い女性と一緒ならいいのだろうが、
残念ながらまだ試したことがない。
宿の内風呂は「千人風呂」と呼ばれている。
まさか千人は入れないだろうが、
広々と開放的で、とても身体が温まる湯だ。
鳴子温泉は昔ながらの湯治場の趣を残しており、
この千人風呂も夜の8時から9時の間を除いて混浴である。
鳴子温泉には混浴の風呂がけっこうあるが、
女性と一緒に入浴する僥倖に恵まれたことは一度もない。
たぶん一生ないだろう。
千人風呂の壁には
高橋典子さんという人の筆による天女像が描かれている。
これがなかなか風情があって、
天女の舞姿を見ながら入浴するのは大変心地がよい。
泉質は、「母里の湯」「千人風呂」ともに
「ナトリウム−炭酸水素塩泉 低張性中性高温泉」とある。
なんのことだか、よくワカラナイ。
昔は「含食塩・芒硝重曹泉」といったようだ。
こちらの方がまだしもイメージが湧く。
ph7.7というから、ちょっとアルカリ寄りの、ほぼ中性。
この宿には他に小さな「家族風呂」もあって、
違う泉質の湯が湧いている。
こちらは「ナトリウム−炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉」、
「低張性弱アルカリ性高温泉」と書いてある。
ますますワカラナイ。
「弱アルカリ性」とあるのにphが6.9、
「千人風呂」より酸性に寄っているのもよくワカラナイ。
旧名は「純重曹泉」、美肌効果があるらしい。
いずれにせよ、どちらも柔らかく、身体がほとまる湯だ。
一晩に5回入浴し(うち3回は「千人風呂」)、
冷えたビールを飲んで「幸せだなぁ」と呟いてみる。
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