番組が完成したので時間の余裕があり、
そろそろ理髪にも行く必要があったから。
ぼくはこれでなかなか義理堅い性格で、
仙台在住のいまでも
床屋は10年あまり前に住んでいた調布の国領まで通っている。
結婚してから妻の厳命で髪を黒く染めてきたのだが、
年齢相応でナチュラルに過ごしたいという気持があって、
妻を説得、久しぶりに髪を染めなかった。
前回染めてからまだ一ヶ月にしかならないので、
思ったほど白髪にはならなかったが、
これから髪が伸びるに連れて白さが目立ってくるはずである。
すっかり「ロマンスグレー」になったら、
中年男の渋い魅力で若い女の子を口説くつもりだ。
夜は、家族で渋谷の隠れ家的なイタリアン、
「バカリ・ダ・ポルタポルテーゼ」で食事をした。
たまに帰ったときには贅沢をしたい。
「バカリ…」はそうした“ハレの日”に似合う、
ちょっと洒落たレストランだ。
もちろん、ぼくが行く店だから、値段はそれほど高くはない。
我が家ではご馳走を食べるとき、
三人が揃ってiPhoneを取り出して写真を撮り始める。
妻は中国製のSMS「QQ」に投稿するためで、
息子は…よくわからないがFaceBookにでも出すのだろうか。
傍から見れば、かなりヘンな家族に違いない。
ぼくはiPhoneで撮った写真を、
Likeカメラ、Snapseed、Vinstagramと
アプリを三つ使い分けながらレタッチしている。
このあたりの手間のかけ方は家族のなかでぼくが一番である。
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