きょう釧路から帰ってきた。
夕方には20℃を割り込んでいた釧路と、
涼しくなったとは言え30℃近い東京とでは別世界の印象。
本音を言えばもっと釧路でのんびりしていたかったのだが、
明日はETV特集のオンエアなので、
さすがに釧路にいるのはまずい。
何かあったら(ないと思うが)
即刻対応できる場所にいるのはTVディレクターの基本だ。
番組を完成させると
放送を待たずに休暇を取って
海外旅行に出かけるディレクターが現われ、
おじさんたち(ぼくを含む)を唖然とさせたのは
いつのことだっただろうか。
もうけっこう前のことになるような気がする。
20年前ではきかないのではないか。
その頃からテレビ局の気風も変わってきた。
ぼくが会社に入った頃のテレビ局は
NHKと民放とを問わず二徹、三徹が当たり前で、
そんな残業代を請求できるわけもないから
いま風にいえば「ブラック企業」もいいところである。
それでも、ぼくたちは、
好きなことをやって給料をもらっているのだから、
むしろ申し訳ないくらいの気持でいた。
本当のところ、
「労働条件の改善」など考えたこともなかったのである。
なぜなら番組作りは基本的に自分との戦いで、
妥協しようと思えば、いくらでも安いところで妥協できる。
逆に少しでもいいものにしようと思えば、
徹夜をしてでも徹底的に直し、粘れるだけ粘るのである。
命じられてやる「残業」とはそこが違う。
若い連中のなかにも、
いまだにサービス残業を繰り返し、
徹夜を続けて粘っているヤツは少なくない。
給料分だけ働けばいいというドライなタイプと
テレビ屋の二極分解が進んでいるのかも知れない。
ぼくなど昔気質の人間だから、
やっぱり自分が納得できるまでは粘らないと気持が悪い。
さすがにぼくほどの古狸ともなれば、
ある種のコツを会得して、もう徹夜をすることはないが…。
今回は台本を書くのに使っている
egwordというアプリが何度もクラッシュをした。
とうに生産中止になっているアプリだからやむを得ない。
Macで縦書きが出来るソフトとしては
いまだにこれ以上のものがないので使い続けているが、
Macのバージョンアップに伴い、不具合は増えるばかりだ。
egwordがクラッシュするたび
せっかく推敲を重ねた原稿が消えて泣きそうになったが、
それでも自分でやれるところまではやったつもりだ。
是非、見て下さい。
神戸の震災復興の“闇”の部分に取材したドキュメントで、
自分としては納得できる番組になったと思っています。
明日夜11時、Eテレでの放送です。
きょうの午後、
永年履き潰した革靴が突然ぱっくりと口を開いた。
靴底と革とのあいだが剥がれて爪先が見えるのである。
こんなのマンガでしか見たことがないw
渋谷の靴の修理屋に持ち込んで、
接着剤でひっつけて応急修理をしてもらった。
革の状態はまだいいということなので、
改めて底を付け替えてもらって、また履くことにしよう。
修理をしてあと何年履けるだろうか、と考える。
思えば、ぼくも、
この古びた革靴のような存在なのかもしれない。
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