親としての力量が問われる「なんで?」問題。
この日お風呂の中で小学1年生の子どもから頂いたテーマは「何故学校で図工をならうのか」という素朴な疑問でした。
会議はリラックスできる場所で
話のきっかけは日次で行う子どもの近況確認。会議の場所トップ3は左から順にお風呂、布団の中、ドライブ中の車です。
学校であったこと、授業内容と理解度に課題はないか、宿題はできたか、お友達と何をして遊んだか、困ったことはないか。聞き役に徹し、子供の頭の中におじゃまします。子どもにとってウザ過ぎる質問を嬉しそうに話してもらえるのは9歳(小学3年生)までが相場です。
意地悪な回答で様子を見る
「何で小学校で図工をならうの?」
「どう思う?(自分で考えてみて)」
子どもがどのように考えるか、答えではなく思考のプロセスが知りたい。遅刻とならび、社会人として最も嫌われる行為の一つでもある、質問に対する質問返しで様子を見てみました。
「ロボットが上手に作れるようになって、困っている人の役に立つため」
意外にもまともな回答が。
学校では問題の答えでだけでなく、なぜ学ぶのかも教えられているようです。
「それでね、お金をもらうの」
「そうしたらお金持ちになれるでしょ」
「お金持ちになったらパパが好きなカニを買ってあげるね」
小学1年生の立派な発言に感動しました。
オッサンになるとすぐに涙が出るので顔を洗うフリをしてごまかしました。
エサを与えるのではなく、エサの取り方を教える
涙も鼻水もキレイになったので子どもの質問に応えなければなりません。
この手の質問で難しいのはどのような観点で回答するかと、子どもの年齢に合わた適切な答え方になっているかだと感じています。子育てに関する知識は昔手に取ったマニュアル本、先生は自分の親、教訓と失敗作は自分という、私にとってやっかいな問題です。
そんな時、一つの指針にしているのが、子育てや教育論で時々みかける、「エサを与えるのではなく、エサの取り方を教えること」という言葉(どなたの言葉なのでしょうか)
自分の回答はエサのとり方に繋がるかと自問することで、多少マシな答えになります。
伝説のスピーチを参考にする
図工という抽象的な概念への質問だったので、子どもと一緒に風呂の壁をホワイトボード代わりに連想ゲームをしながらエサのとり方を考えてみました。繋がりを見出すのは、2005年にスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業生に贈った伝説のスピーチからのパクリです。
1.図工をならうことで何かを上手に作れるようになる(例えば粘土でのお寿司作り)
2.上手に作られたお寿司は美味しい
3.美味しい物には価値がある(一生懸命とは関係ない)
4.価値をたくさん持っているとエサのとり方に困らない
直接的に何かの役に立ちそうにないことでも、点と点をつなぎ、繋がりを見出せば価値が生まれる(お金が稼げる)
粘土を例えに出したのは、子どもとのお話の中で先生に粘土で作った作品をほめられたという話を聞いたからです。
学んだ翌日
机上の空論だけでは面白くないので、粘土遊びと美味しいものが大好きな子どもたちと一緒に、本物の魚とシャリを使ってお寿司屋さんごっこをすることになりました。
食材の調達からレシピまでホワイトボードに書きながら子どもたちと一緒に考えます。
勉強も節約料理作りもお手伝いも全部一緒。
子育ては美味しくてお得ですね。
※翌日作ったお寿司
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