前回のエントリ(投資家はGDPの増えない国に用は無し)で、GDPの「三面等価の原則」により投資は成長する国へするのが有利、と書きました。やはり勝率を上げるなら登りのエスカレーターに乗るべきで、下りに乗ってはそもそもスタート時点から間違いなのです。
では今後、成長が見込める国はどう見分ければいいのでしょうか?
結論から言うと、人口と一人当たりの消費額が増える国、ということになります。
なぜでしょうか?これはGDPを支出面から見ると分かりやすいです。
GDPは「生産=分配=支出」でした。これは支出が大きくなればGDPが増えることを表しています。誰かの出費は誰かの儲けだからです。
その支出面から見たGDPの内訳ですが、日米では60%~70%が民間最終消費支出(個人消費)で、20%が政府最終消費支出(公共サービスのための政府による支出)となっています。先進国では大抵この2つで全体のほとんどを占めますので、ここの動向を考えればいいわけです。
参考:米国の場合
株でもそうですが大まかに動向探るには、まずは大きいところを抑えて細かい点は取りあえず脇に置いておいても、そう悪い結果にはなりません。細かい所はその経年変化率が大きければ注目するくらいで十分です。
ということで結局、国が成長するかどうかは「個人消費の動向」が最重要ということになります。
そこで個人消費に注目してツリー分析してみると「個人消費=人口 × 一人当たりの消費額」となります。つまりこの2つが同時に拡大する国が理想的というわけです。
具体的な国をひとつ挙げるとすると米国が当てはまりそうです。
一方、日本は人口が減少することがほぼ既定路線ですので成長するのには大きなハンデを背負っていることになります。誰かの出費は誰かの利益、ということを考えると人口が減る中でのGDPの成長は極めて難しいのです。これを一気に解決するには移民を受け入れる等のかなり思い切った政策が必要でしょう。安倍政権がこの問題にどういう解を提示するか、今後に注目です。
そんなわけで、当分の間は米国中心に投資していけばいいのかな、と個人的には考えています。
※、BRICsのような発展途上国では道路・橋・空港・港湾などの社会インフラの建設費などの民間や政府が行う設備投資政府支出、輸出などが大きい国もあるので、それぞれ一番大きいものに注目しましょう。
参考:中国のGDP内訳(個人消費・設備投資・輸出)
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