私が中国株を始めた当初、世間ではベトナム投資がちょっとしたブームでした。
ベトナムは人口も9000万人とかなり多く、若い人が多いし、外資系企業の投資も増えており、GDPも成長しているということで、ポスト中国として当時は投資家や経営者から熱い視線を送られていました。
一方で当時のベトナムへの投資環境は非常に貧弱で、直接投資しようとするとベトナム・ドンへの両替や銘柄情報の取得、相対する証券会社選びなど非常に敷居が高いものでした。
そんな中で一部のアクティブな投資家はベトナムの証券会社に口座を開きに行ったり、その他の普通の投資家はクローズエンド型の投資信託(一定期間解約不可の投信)などを通して投資していたようです。
ところが、ほどなくしてリーマンショックが起きました。リスクマネーが蜘蛛の子を散らすようにアメリカに逃げ帰った結果、ベトナム株へ投資していた投資家は甚大な損失を被ったのです。
リスクマネーは中国や日本からも逃避し、指数が半値近く大暴落したのは記憶に新しいですが、当時のベトナムのVN指数はなんと90%も暴落し大クラッシュしたのです。
ベトナムVN指数長期チャート
指数が10分の1になるということは個別株はもっと悲惨で元値から95%~97%も下落した銘柄も多数あったはずです。
私はベトナムへは投資しておらず、この暴落の被害は被らなかったのですが、傍から見ていて教訓を得たのはGDPの小さい国への投資は慎重に、ということです。
何がコトが起きてレパトリエーション(海外に投下していた資本を本国に戻すこと)が起きた場合、同じ資金量でも経済規模の小さな国のほうが被害が甚大になるのです。常に高レバレッジが掛かっている状態だと想像すればいいでしょう。
米・中・日・独が大型船だとすると、ベトナムへの投資はまるでカップルがデートで乗る手漕ぎボートのようなものです。台風が来たらどうなるかは想像するまでもありません。したがって私は、GDP世界上位の国にしか投資しないことにしています。
この視点で次に私が注目してるのはインドです。インドはようやくGDP世界TOP10に入るようになってきました。ただ、まだ一人当たりGDPは小さく「貧乏」な国です。
これがもう少し上がってくる10年~20年後になったら、メインの投資先になるかもしれません。
まあ、その頃には私も老人の仲間入りですので米国債でも買っとけ、というのがリスクマネジメントとしてはセオリーですが、多分懲りずにインドの個別株をやってると思います。重度の株中毒ですので。
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