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21世紀のインデックス投資

インデックスファンドが登場したのは20世紀終盤ですので、歴史はそんなに長くはありません。

にも関わらずインデックス投資はかなりの速さでシェアを拡大してきており、最近では機関投資家の売買の半分はインデックス、とどこかで見た記憶があります。

インデックスファンドは非常に便利で、私も投資タイミングがシビアな場面では利用します。なにしろ「何も頭を使わず」必ず市場平均と同じリターンを得られることが約束されているのですから、こんなラクな戦略はありません。

インデックス投資は人類が今日より明日を良くしようと努力する限り、今後もその発展の果実を確実に享受することができるのではないでしょうか。


一方、これ以上インデックス投資が流行ると、それはそれで黎明期には無かった弊害が心配されます。

例えばインデックスファンドは投資戦略がオープンなため、ヘッジファンドのいいカモになってしまうという問題です。

ファンドのシェアが低いときは問題になりませんが、今日のような規模になるとファンド絡みで巨大な売買が発生します。

すると組み入れ銘柄の入れ替え発表時には、ヘッジファンドは対象銘柄を先回り売買します。
当然、その銘柄はたっぷり割高・割安になりますがインデックスファンドは仕組み上、組み入れ銘柄の入れ替え時まで売買できません。

これによりインデックスファンドが実際に銘柄を入替えるときは、いつも高く買って安く売ることになってしまいます。
この際のヘッジファンドの儲けは、インデックス投資家が負担することになります。

もし、これを避けようと思って入れ替え銘柄を個別に反対売買してヘッジしようとすると、それはただの個別株投資になってしまいます。

以上のような信託報酬以外の隠れコストが、今後大きくなっていくことを心配しています。


さらに、インデックスの著作権者が既得権益化するという問題もあります。

組み入れ銘柄の変更情報を事前に知ることができる一部の内部者は、既に大きな利権を持っていると言えるでしょう。

まだ聞いたことはありませんが、今後この情報絡みのインサイダー取引事件が起きるのではないでしょうか。



というわけで、インデックス投資が流行れば流行るほど市場は「小さな池の巨大なクジラと、クジラの腹をチクチク食べるピラニアたち」という構図になることが予想されます。

クジラとピラニアは共存関係にあるので、今後どこかでバランスすることになると思いますが、結果としてはインデックス投資の今後の長期的な利回りは、ピラニア達の活動により低下していくんじゃないでしょうか。


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