思い出の懺悔銘柄:2229カルビー
私は投資でよく失敗します。先日もユニチャームで儲けそこなった記事を書きましたが、他にも色々と失敗しました。
今日はそんな中から2229カルビーを取り上げてみたいと思います。
カルビーから得た教訓は「自分がファンであり、割高でない株を買うのは良いアイデア」だという事です。
カルビーが上場したのは2011年でした。
私はその当時「堅あげポテト」の大ファンで毎日のように購入していましたし「コンソメパンチ」という何故か真似されない魔法のコンソメパウダーを使用したヒット商品も以前よりありました。
その流れでカルビーに興味を持ち、上場時に有価証券報告書を読んだのですが、その感想は「これはドメスティックな会社だな」というものでした。
原料であるジャガイモは国内産のものしか使用できず、市場も国内メインで、あまり成長性を感じられなかったからです。
上場後の株価イメージとしては日本マクドナルドを連想しました。日本マクドナルドの上場タイミングは既に国内に店舗が飽和した時期で、それまでの高成長は期待できない時期でした。
そういう時期に上場する企業の目的はズバリ「出口戦略」です。本来、株を上場する目的は市場から調達した資金で成長を加速させることですが、中には「上場ゴール」といって、市場から資金を巻き上げて利益確定するのが目的の企業もあります。
カルビーのイメージはそこまで悪くは無かったものの、それに近いものがありました。なんでいまさら上場すんの!?という感じです。
ところがその後カルビーは世界的なスナック菓子メーカーである「フリトレー」の親会社「ペプシコ」との提携関係を利用して北米へ大展開。
中国へは台湾系で本土で食品大手である「康師傳(カンシーフ)」と提携して市場展開を加速。決して派手ではないですが順調な成長を遂げています。
その結果、上場時のカルビーのPERは16倍くらいだったと記憶していますが、成長性が織り込まれた現在のPERは40倍を超えています。
これはバートン・マルキールの本にも出てくる典型的なテンバガー(株価10倍)コースです。
すなわち、安定企業のPERは大抵13~15倍くらいがストライクゾーンですが、PERは成長を織り込むと30~40倍に跳ね上がります。すると利益は何も変わらなくても株価は2~3倍になります。そして利益が3倍になると、3×3で株価は9倍になるのです。
上場時のカルビーのPERが16倍くらいだったということは、市場のみんなは私と同じようにカルビーの成長性を見くびっていたことになります。
このように自分がファンであり割高でない株を買うというの十分にアリな戦略だと思います。
なぜならファンということはアップサイドは自分自身が信じている訳で、割高でないことはダウンサイドは限られているからです。
カルビーの株価は上場から一貫して上がり続け、現在は初値の6倍以上になっています。
P.S
その後、カルビー躍進の謎が解けました。上場ちょっと前にCEOになったのは、なんとあのJNJから来た人だったそうです。そりゃあ成長するわ。
コメント
コメントを投稿