投資にはいろいろとリスクがありますが、普段あまり意識しないリスクとして「カウンターパーティ・リスク」があります。
これは取引していた証券会社が潰れて資産の一部が返ってこなくなるなどのリスクです。
最近スイスフランの上限撤廃でFX会社が潰れたりしましたね。この場合、顧客に有利なポジションが守られない可能性があり、こういうのもカウンターパーティ・リスクです。
ところで、このリスクを史上最大に取って大儲けした投資家といえば、何といってもジョン・ポールソンを置いて他にはいないでしょう。
ポールソンはリーマン・ショックのあった2007~2008年に、サブプライム担保証券のCDSを使って1年で2兆円近く儲けました。
CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は対象資産がデフォルトした時に、その損失分を補てんするためのデリバティブです。
ポールソンはサブプライム担保証券がデフォルトする方に全力で張って、勝ったのです。
ここでポールソンが凄いのは、究極のカウンターパーティ・リスクを取ったことでした。
CDSの売り手はAIGなどの保険会社でしたが、それが潰れて「ごめーん、保障する約束は無かったことにして~」となったらポールソンは大損する可能性もありました(これをポール損と揶揄されます)。
2007年当時、その確率は歴史上から見れば半々だったでしょう。
1929年に始まった世界恐慌では実際に金融機関が潰れました。一方、ソロモンブラザーズが倒産の危機にあった時はバフェットが救い、金融危機は免れました。
結果としてリーマンショックのときはAIGはFRBに救われて不履行は避けられました。そこまでリスクを取って稼いだ2兆円ですから、これは投機といっても尊敬に値するんじゃないですかね。
いざというときに一発で根こそぎ足をすくわれるのがカウンターパーティ・リスクの最も恐ろしいところです。
特に積立てで大量に保有することになりやすいインデックスのETFなどは、信託報酬の安さばかりに注目することなく、複数のファンドハウスの同種のETFに分散するべきでしょうね。
もちろん分別管理などの法規制はあるわけですが、いかんせん潰れそうな会社なんて何しだすかわかりません。経済事件の数だけコンプライアンスを守ってない会社があった、ということですからね。
具体的には、ブラックロック > SSGA > Vangard の順で分散保有すればいいんじゃないでしょうか。
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