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外国株定量分析:BP plc (ADR) (NYSE:BP)

今回はBP plc (ADR) (NYSE:BP)です。


企業概要


ビー・ピー(BP p.l.c.)は英国籍のエネルギー企業です。いわゆるスーパーメジャーの1社です。同社は探査・生産事業、及び精製・マーケティング事業という2事業を運営しています。クルマやバイク好きの人にはオイルの「カストロール」ブランドがお馴染みでしょう。
FTSE100種総合株価指数に採用されています。

評価結果


安定配当および安定業績を好む投資家視線で評価すれば、BPはパスしたい銘柄です。持っているなら「セル」という印象です。

財務分析


■PL

一株あたりの売上は安定しています。昨年の原油価格の暴落においても売上自体に影響は少ないようです。

営業利益率は急降下しています。2011年こそソコソコの成績を残していますが、その後は見るべきところは一切無い状態です。
これにより一株あたりの営業利益・一株利益も微々たるものとなっています。

増配余力はほぼありません。というか直近では一株益以上の配当を行っています。日本株だったら間違いなく減配となっている場面でしょう。自社株買いもほとんど行われていないようです。


■BS

負債比率は同セクターのエクソンモービル(XOM)、シェブロン(CVX)と比較して高いです。総資産自体も落ちています。
今すぐどうこうなるレベルではないですが、あまり良い印象は持ちません。


■CF

キャッシュフローは特に問題ないと思います。なお配当金相当額を借入によって調達しています(財務キャッシュフロー)。

特にそうしないと回らないような状況でもないですが、何らかの理由があるのでしょう。ぱっと見ではXOM、CVXよりも純利益に対する減価償却額の比率が巨大なので、バランスシートの急速な縮小を避けたかったのでしょうか?

とにかくXOM、CVXと比較して営業キャッシュフローの動かし方がだいぶ違います。これはどういう経営戦略なのか?簿記1級か会計士の方にレクチャーを受けたいですね。

株価と関連指標



直近4年の PER 履歴 5.80 → 13.02 → 6.35 → 32.36


株価は直近5年でダウを大きくアンダーパフォームしています。配当性向が高いためか、株価はほとんど上昇していません。
同セクター比較では、XOM、CVXは5年騰落率で約+30%なのに対し、BPは約-10%と大差で負けています。

総評


BPについて特筆すべきなのは高配当なうえ英国株という点です。

BPの配当利回りは6%近い上に、英国株は「租税条約による源泉徴収税率」が0%なので、他の銘柄よりかなり多く手元に残ります。
さらにNISAで買えば夢の配当税率0%ですので、長く持てば驚くような利回りとなるでしょう。

潰れるような会社ではないので、株価の含み損に耐える鋼の精神力があれば、債券感覚での長期保有もアリかもしれません。

しかし経営的には同セクターのXOM、CVXの方が断然優秀と思います。昨今の原油価格の暴落は各社同一のストレス条件だったはずですが、XOM、CVXの方がBPよりずっと上手にこのピンチをかわしています。

総合すると、BPは投資対象としては「下の上」くらいで、エネルギーセクターを買うなら私だったらXOMかCVXの方を選びます。

とは言っても、そのXOM、CVXも含め、エネルギーセクターの数字は、どの企業も配当を除いてはそれほど魅力は感じません。エネルギーセクターはWTI原油価格に大きく左右されるので、基本的には「配当が出るコモディティ投資」という感覚で付き合うのが良いと思います。
昨今のように見込みが外れて大きく石油価格が下がってしまったら、素直に投げて他の銘柄に行くという戦略も否定はしません。


なお、BPのアニュアルレポートに「One American depositary share (ADS) is equivalent to six 25-cent ordinary shares」という記述がありました。
先日記事にしたグーグルファイナンスのFinancialsに載っている一株あたりに関する数字は、6倍にすることでADR株価と辻褄が合うようです。



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