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米株定量分析:Northrop Grumman Corporation (NYSE:NOC)

今回はノースロップ・グラマン(NYSE:NOC)です。


企業概要


ノースロップ・グラマン(NOC)は、航空宇宙システム、電子システム、情報システム、技術サービスの4事業を行う防衛関連の大手企業です。過去の代表的な製品としては B2 ステルス戦略爆撃機、F14 トムキャット、ニミッツ級原子力空母、ロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦などが挙げられます。S&P500 に採用されています。

評価結果


安定配当および安定業績を好む投資家視線で評価すれば、NOC は普通の投資対象という印象です。

財務分析


■PL

一株あたりの売上は年数%ずつ上がっています。売上高自体は下降しているので、これは主に自社株買いの効果と思われます。

営業利益率は12%~14%へと若干上がってますが、上がっているというよりも安定しているという評価のほうがしっくりきます。
一株あたりの売上高と営業利益率の上昇により、一株あたりの営業利益は年10%のペースで上昇しています。一株利益も順調に伸びています。

増配余力は問題ありません。同セクター他社と比較しても大きな株主還元余力がありますので、今後も順調に配当は成長するでしょう。自社株買いも他社より多いです。

営業利益率の上昇要因はニュースを漁っただけでは出てきませんでした。アニュアルレポートには載っていると思いますが、読む時間と英語力が無いので情報をお持ちの方がいらっしゃいましたらご教示頂けたら嬉しいです。


■BS

負債比率は直近 2年で少し上昇しています。同セクターのロッキード・マーチン(LMT)、ボーイング(BA)と比較しても少し高いです。
しかしながら  NOCの顧客の90%が米政府という構造を考慮すれば事業リスクは非常に低いので、この程度のレバレッジは全然 OK でしょう。むしろこの方が ROE が上がって良いかもしれません。


■CF

特段良くもなく悪くもない、という状態です。うまく操縦しているな、という印象を受けます。

株価と関連指標



直近4年の PER 履歴 7.83 → 8.33 → 13.84 → 16.10


株価は直近 5 年でダウを大きくアウトパフォームしています。ちょっと上がりすぎに見えますが、自社株買いによる株主還元を軸に安定して利益配分を受けられる債券チックな株なところが、この低金利時代において評価されているのかもしれません。
だとすると、今後の金利上昇局面においては需給面では若干マイナスに働く可能性もあります。
株価上昇率は、BA よりは良く、LMT とは同程度となっています。



総評


NOC は売上は下降気味ながらも、将来性の高い軍事用ドローンが得意という点と、売上高の 90%が米国政府なため景気の影響を受けにくい、という特徴があります。

また、NOC は次世代長距離攻撃爆撃機の大型契約を BA & LMT 連合と競争しています。
もし NOC がこの契約をペンタゴンから勝ち取れば、向こう十数年は安定した売上向上が望めます。
これからの戦争はますます無人化が進むと考えられ、ドローンに強みを持つ NOC は契約獲得へのアドバンテージを持っていると言えるでしょう。


一方で防衛関連セクターには弱点もあります。政府が商売相手で公共事業的な面が強く、それほど大儲けするわけにはいかないのか、営業利益率は10%台前半と Apple やアリババのような高さは到底望めません。

しかしながら子供の世界で他の子を支配したければケンカが強い必要があるのと同様、世界においても軍事力がなければ何を言っても相手にされないのです。
だから NOC の事業はアメリカが大国である限り需要があり、さらにアメリカは世界で圧倒的な軍事力を有しているのです。

<参考:世界の軍事費ランキング>



以上のように、アメリカはやろうと思えばロシアとドイツと中国と日本を同時に敵に回しても勝てるほどの軍事力を持っています。

これが出来る唯一の国はアメリカであり、そのアメリカがこの立場からやすやすと降りることは考えられず、アメリカの防衛関連セクターは今後とも安定的で、財務数字がそれほど良くなくてもポートフォリオに組入れる価値はあると思います。

従って総合すると、NOC は投資対象としては「普通」であり、BA よりは良く、LMT とは同じくらいという印象です。今は値段的に買いたくはないが、将来市場が暴落したら LMT と NOC を半々ずつ買ってもいいかな、というスタンスでいたいと思います。。


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