しかしここフィリピンの場合、市町村単位どころか日本の都道府県に相当する州(プロビンス)や、さらにその上の行政単位の地方(リージョン)の再編成が地域住民があずかり知らぬ間に決まってしまうことがあります。
他でもない、私たち家族の住むネグロス島。四国よりやや狭い面積のこの島。シライ市のある西ネグロス州(ネグロス・オキシデンタル)と東ネグロス州(ネグロス・オリエンタル)に分かれていて、それぞれが西ビサヤと中央ビサヤという別のリージョンに属しています。
一見すると不思議な感じですが、東西の州では言葉が違い、西ではイロンゴ語、東ではセブアーノ語が母語。イロンゴ圏は西隣のパナイ島に及び、セブアーノ圏は東隣のセブ島に広がっています。つまり、地図で見るとひとつの島でも、言語・文化圏的には分かれている。さらに島の中央にはカンラオンなどの山地があり、旅客鉄道が皆無なこともあって、東西の交通は相当不便。
西ビサヤの地方庁は隣島パナイのイロイロで、日に何便も高速フェリーが往復しているので、1時間もあれば行くことができます。もしこれが島の反対側にあるドマゲティが地方庁になると、一般道路を車で4〜5時間。自家用車があればまだしも、バスを乗り継いだらもっと長時間になるでしょうね。言葉の問題もあるし、何にもメリットが感じられない。
家内はかなり冷笑的で、どうせ来年の選挙で議員が変わったら、また元に戻すかも知れないと、あまり深刻には受け止めていません。新リージョンになって、何がどう変わるかも分からないし、騒いだところで仕方がない、と言ったところでしょうか? フィリピン人の政治不信のタネは、こういうところにもありそうです。
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