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フィリピンから見た日本 2015.7.15

今日 2015年7月15日、日本はとんでもなく騒がしい一日になってしまいましたね。言うまでもなく衆議院での安全保障関連法案の採決のこと。フィリピンに住む私より、日本にいる人たちの方が、実感としてよく分かっていると思うので、ことさら事実関係をなぞったり、政局に対する私見を披露するつもりはありません。そこで少し引いて、この一連の騒動へのフィリピンの報道や一般の人(おもに家内のことですが)の反応について書いてみます。

まず、特に日本の政治に関心の高い人でもない限り、今回の件について一般のフィリピン人は、ほとんど知らない。争点になっている日本国憲法の知識もない方が普通だし、ましてや9条の記述について知ってたら、私が驚くでしょう。

15年も日本に住み、フィリピンの最高学府と言うべきフィリピン大学の大学院まで出た家内ですら、まったく知りませんでした。まぁ、日本人が他国の憲法やその解釈までは、専門家でもない限り分からないのと同じこと。

さすがに大手新聞のフィルスター紙や、フィリピン最大の放送局ABS-CBNは、短くですが「自衛隊の役割拡大のための法律が上院(衆議院)で可決」という書き方で伝えています。ただし、それを脅威だとかネガティブな捉え方はしていない。

家内がどう考えるのか知りたくて、9条の内容から説き起こし、なぜ日本で騒ぎになっているかを説明してみたら、一言「憲法変えたらいいんじゃないの?」で終わってしまいました。

今でもミンダナオで内戦を抱え、家内が学生の頃まで自分たちの住むネグロス島でも紛争があったフィリピン。対外的には中国と事を構えて、軍事力を持たず戦争を放棄するという概念自体、理解できないんでしょうね。

しかし家内も、NHKワールド(NHKの英語放送)で国会前に一般市民が抗議のために集まった様子を見て、自分がエドサ革命(1986年)のデモに参加したことを思い出したらしく、容易ならざる事態だと悟ったようです。

私も、政治絡みでここまで騒然となった日本を見るのは、子供の頃の70年安保以来。しばらくは異国の地で、心が落ち着かない日々が続きそうです。


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