日本の空を見る。 第四弾 ANA
こんにちは。今回は「日本の空を見る。」シリーズの第四弾です。このシリーズは財務を読み解くための導入として、なるべく簡単に、徐々に、実際の決算短信や説明会資料を見ていっている訳ですが、意外とPV数が多くて嬉しいです。今回、題材とさせて頂くのはANA。現在、日本の航空会社でトップとなっている会社です。いつも通りサクッとサラッといきましょう。
まずは会社概要から。ANAホールディングス株式会社(ANA HOLDINGS INC.)は1952年12月27日に設立されました。資本金は318,789百万円。持株会社制に移行したため、2013年4月1日に全日本空輸株式会社より商号変更をしています。ANAホールディングスの従業員は161人。連結従業員数は約3.4万人。東証1部に上場しています。
事業としては、航空事業/旅行事業/商社事業を行っています。
上の画像がP/L簡易版です。セグメント別に見ると航空事業の売上、営業利益が大きく伸びていることから、当期純利益も同時に増加しています。このシリーズでしつこいぐらい言っているインバウンド増加、円安の影響を受けているのでしょう。実際に国際線はH26期より旅客数が720万人(前期比13.8%増)、収入が4,683億円(前期比18.5%増)増加しています。国際線貨物に関しても、貨物輸送収入が1,247億円(前期比19.1%増)となっています。
さて今回は決算短信に載っている本物のB/Sです。今回はサラッと目を通すだけにしましょう。こういう事が書かれているんだなぁ。程度でOKです。今後少しずつ説明する記事を書いていきたいと考えています。
資産状況としては投資関連(有価証券)に変化がありますが、全体として大きな変化は見られません。自己資本比率はH26期に34.3%、H27期に34.7%です。
CF計算書の簡易版です。今後、国内、国外ともに増便していくために航空機を増やす必要があります。その前払いを支払ったため投資が多くなっているのでしょう。しっかりと投資に資金を回しつつも全体のキャッシュは大きく減らしていません。今後の更なる成長が期待できそうです。
今回の決算資料は4月30日に発表されたものです。そこからある程度時間が経っていますので、4月と5月の旅客輸送の実績が発表されています。国内線は若干減少して前期比98.8%。国際線は前期比113.2%と好調です。
ANAは今後も成長を続けるために更なる発着枠の拡大を目指しています。それに合わせて航空事業の従業員の増員もしています。しかし増員を急ぐ必要はありますが、サービスを低下させる訳にはいきません。ANAはサービスの質を評価するリサーチ会社によるエアライン・スター・ランキングで5スターを連続で獲得しています。LCCに比べると価格が高い分、サービスに関しては絶対に譲れない所でしょう。
またグループにあるLCCのバニラエアの黒字化を図る必要もあります。
航空事業というのは、為替や燃料費の変化、固定資産(主に航空機)の故障、事故など会社の財務に大きな影響を与える事態がいつ起きてもおかしくないです。つまり業界トップでも、うかうかしていられません。(どの業界でも同じかもしれませんが。)
日本航空業界のリーダーとして、どう動いていくのか注目したいですね。
ANAホールディングス決算資料はこちら
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