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実を言うと私は銀行・保険株といった金融株は難しいので苦手です。

どう難しいのかと言いますと、金融は普通の会社のように原材料をいくらで買ってきて、加工するのにこれだけ掛かり、いくら使ってどれだけ儲かった、というふうに具体的にイメージしにくいところが挙げられます。

例えば銀行で言えば、私たちに馴染みのあるのは預金や住宅ローン等のリテール業務くらいで、それ以外のトレーディング・M&A・証券化・法人向け業務などはリスクがよく分からないことも多く、しかも銀行によってはそれらの業務が重要な利益の源泉だったりするので困ってしまいます。

そのくせ銀行はスプレッドビジネスがメインですからレバレッジが非常に高く、ちゃんと理解してないと危ない事この上ないのです。



財務面についても金融機関の財務諸表は普通の事業会社とはだいぶ違います。
金融株では商品も在庫も運転資金も、とどのつまりは現金というのが一般の事業会社と異なります。

また銀行の借入金といえば一般には預金ですが、預金者は「銀行に金を貸し付けている」という認識は当然ありません。
預金者が銀行に期待する利回りは、銀行のリスクを勘案したものではなく単に預金保険で守られたノーリスク運用という認識ですので、普通の事業会社の債券を買っている投資家とは意識が全く違います。

すると専門用語になりますが、銀行の評価をするときにWACCでFCFFを割り引くということはナンセンスで、株主資本コストのみで割り引くEquity DCF法を使うことになります。

でもこのEquity DCFがまた良く分からなくて、運転資金も借入金もごっちゃにしてFCFEを求めないといけないのですが、イメージしにくいことこの上なく、自習しようにも情報が少なくて困っています。



そんな訳でこれまで金融株に対しては、せいぜい潰れなさそうで高配当という程度で投資してきたのですが、いくらなんでもこのままではマズいと思い最近少しずつですが学習し始めました。

その結果、自分にとって良いと思う金融株の基準が少しだけ具体的になってきました。
今のところは業績が継続的に向上していること、ROAが業界内で安定して高いこと、バリュードライバーのリスクが少ないこと、などを重視しています。

少し手を動かしながらこの基準で研究して、良さそうな金融株をピックアップしていきたいと思っています。



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