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日本の空を見る。 第五弾 スカイマーク(2)



こんにちは。今回も日本の空を見る。シリーズ一応最終回のスカイマークです。
前回は経営破綻に至った原因と思われるものを書いていきました。他にも原因となりそうなものが調べるとあったので書いていきます。(前回のブログ
では今回もサクッと行きましょう。


新規事業に大きな投資
前回、A380の購入が好調時の決算をもとに計画されたものであり、財務面からの計画としては非常に困難なものだったのではないか、と書きました。
今から書く内容も結局は同じ結論にはなるのですが、もう少し噛み砕いた説明になると思います。

まず確認してほしいのが、A380を購入する目的として国際線事業を開始するため、ということです。ということは、これは新規事業の計画となります。
新規事業の投資のためA380を6機購入。金額は約1900億円です。
事業を新しく始める時は、同業他社の同様の事業なんかがどうなっているのか、新たにコストがどのくらいかかるのか、とか調査すると思います。
スカイマークは低価格帯であることから、他のLCCと比べてみます。
まず世界のLCCの会社をみると、長距離の国際線事業を行っている会社はあります。しかし使用する機体は約200席程度の中型機です。(スカイマークの国内線で利用されている機体も、だいたいこの程度の座席数になります。)
しかしA380は席の設置の仕方にもよりますが、約500〜800席。べらぼうにデカイんです。
もし国際線事業もスカイマークらしい低価格帯で行うとすると、全席エコノミークラスで800席。機内はガラガラになりそうです。(上位クラスを設置したとしても500席というのは、席がうまらない可能性が高そうです。)

また、この国際線の事業を開始するにあたり、かかるコストは機体の購入代金だけではありません。スカイマークが主に使用していた機体はボーイング737。エアバスA380とは操作や整備の仕方が違うのです。つまりパイロットを雇ったり、教育したり、部品を買ったりと少し考えただけでも結構経費がかかりそうだと予想できます。

簡単に考えただけではありますが、この事業への投資は結構勇気を持って挑む必要がありそうです。
ここで購入を決めた2011年期以前の決算を見てみましょう。

購入を決めた2011年期以前のスカイマークのP/L、CF計算書の推移。
上の表の推移を見ると、機体購入を決めた2011年期は特別好調な決算だったということが分かります。
ちょっと困難そうな新規事業に対し、好調だった決算をもとに計画を立ててしまったというのは、やはり甘かったと言わざるを得ないですね。


A380の前に既に失敗していた?
購入決定した2011年期以降の決算は前回のブログに載せていますが、2013年頃から利益率が大きく低下します。燃油費の高騰などで財務が弱くなってきていて、A380の契約解除に伴う違約金が破綻の原因。しかしその前に原因がありそうなものがありました。それがエアバスA330機の導入です。
これは全席グリーンシートを推したスカイマークの戦略機でした。(この機体には期間限定でミニスカCAが乗るということでも注目されました。)
これはANAやJALから顧客が流れるように狙ったものでしたが、結果としては失敗でした。2014年6月に運航開始しましたが、思うように搭乗者が伸びず2015年1月に運航停止しています。
2014年3月期の決算時点で既に大きく現金残高を減らしていたため、この失敗はスカイマークにトドメを刺してしまったかもしれません。


今回もスカイマーク経営破綻の原因となったのではないかと思われるものを書きました。2011年期のCF計算書を見ると約160億の現金残高で、新規事業投資に約1900億。
個人レベルで例えると貯金が1600万円あるから、価格が上がりそうな不動産を借金して1億9000万円で買おうかな。大丈夫!頑張って出世するから!といった感じでしょうか。いや、この例えは下手くそかもしれません…
次回からは、スカイマークやそれを取り巻く会社の動きなど見ていきます。

スカイマークHP 企業情報


もう少し暇つぶし…

私はブログを書くとき下書き的なことはせず、いきなり調べながら書きます。実は、今回のやつは2回書いてます。1回書いた後に公開しようとしたら、なぜか消えてしまいました…。このブログはtwitterアカウントを作っているのですが、そんな私のくだらない日常や、日々読んだニュースについてのコメントだったり、株やりながらツイートしたりしてます。是非フォローしてみてください。

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