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今後のエコカー勢力図を勝手に予想してみる ~プラグインハイブリッドが主流、欧州勢の優勢は変わらず~

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クリーンディーゼルがかなり追い詰められていますね。
アメリカのTier2-Bin5も去ることながら、欧州の規制(Euro5~6)の規制値さえも上回っていると言うことで、世界的な議論に発展しているようです。

まあ、個人的には国産がJC08で最適になるように燃費を調整しているそれと根本的には変わりないのかなと思っていますが(デフィート・デバイスはちょっとやり過ぎでしょうけど)、CO2よりも有害性が高いNOxやPMが脚光を浴びたことで、必要以上に人々の不安を駆り立てているように思います。
とは言え、これらはガソリン車でも出ることは出ています。
飛行機でも、工場でも、火力発電所でも、化石燃料を燃やす限りは多かれ少なかれ出るものです。
即ち、ハイブリッドカーにしても然りということです。

これらのことを念頭に、今後のエコカー勢力図を考えてみたいと思います。

まずもって厳しい事を書くようですが、クリーンディーゼルはもう二度と黄金期を迎えることはないでしょうね。
おそらく、今回の議論で試験方法が各国において厳しさを増し、規制値もより厳格なものになる可能性が高いでしょう。
そうしたときに、各メーカーがどこまで資本投下するかと言えば、イメージが悪化して売れ行きの悪い物にそこまで投資する可能性は低いと思います。


ではどうなるのかってなりますが、個人的には日本勢ノーマルハイブリッド(HV)よりも、欧州勢プラグインハイブリッド(PHEV)が勢力を握ってくる気がします。
特に、世界&プレミアムセグメントにおいては、その傾向が強いと思われます。

究極的には電気自動車(EV)や水素燃料電池車(FCV)なんでしょうけど、各国のインフラの整備状況や、現在のエネルギーソース(電気や水素の元となる原料)の環境負荷を考えると、そんなにいきなり舵を切れる状況でもないように思えますし。
値段も相対的に高くなりそうですし、大勢の人の手に届かない限り「主流」とは言えないわけで。

その辺を考慮すると、妥協の産物的にはなりますが、PHEVがしばらくのエコカー主流であろうと思うわけで。
使い方としては、普段はEVとして電気のみで走らせ、遠出の際はガソリン併用のPHVとして走らせると言う感じが、もっとも環境負荷が低い気がします。

となると、やはり欧州勢が優位になるのは変わりないわけで。
パッと思いつくだけでも、メルセデスでSクラス・Cクラス・GLE・GLC、BMWでX5・3シリーズ・2アクティブツアラー・新型X1(見込み)・次期5シリーズ(見込み)、アウディでA3・Q7・新型A4(見込み)、VWでゴルフ・パサート・ティグアン、ポルシェでもパナメーラ・カイエンと言った具合に、多種多様なラインナップがあります。

翻って、日本勢PHEVについてはプリウスとアウトランダーのみ。
まあ、アウトランダーはさり気なく「アリ」な部類だったりしますが。。

で、どの欧州メーカーも、PHEVに今後力を入れていくとしています。
言うまでもなくその先にあるのは、2020年に強烈に強化される、欧州エミッション規制
そのため、各メーカーとも2020年に向けて粛々と準備を整えている矢先だったわけで。

また、その後に控えているEV時代やFCV時代に備えているのもあるんでしょうね。
モーター駆動の車輌を、公道・一般消費者の走行でテストできるって意味合いにもなりますから。

裏を返せば、これまでもクリーンディーゼルはエミッション規制が強まる2020年までのつなぎ投手的な役割だったように思えます。
クリーンディーゼルであっても、ユーロ6を満たしつつCO2排出量95g/kmの達成は容易じゃないですからね。
どのみち、欧州メーカーはクリーンディーゼルからPHEVへと軸足を移そうとしていた今日この頃だったわけで。

ゆえに、今回の件で欧州各メーカーは開発を前倒ししてでもクリーンディーゼルからPHEVへのシフトを急ピッチにする可能性が高いわけです。
そうなると、開発コストも下がるのが早いでしょうし。
また、一説によればドイツ御三家(メルセデス・BMW・アウディ)でバッテリーの会社に共同出資して育てる構想がダイムラーにはあるらしく、今回の件でその機運もいくらか高まったように思います。


では、なぜ日本のノーマルハイブリッド(HV)じゃダメなのかと言いますと。
結局常にガソリンエンジンを併用するわけで、欧州やアメリカなどの高速走行シーンが多い場合には、排ガスやCO2エミッションの実際の量は有利にはならないと思われるからです。

特に、飛ばすのが大好きな海外では実際にガッツリ踏み込んでエンジンぶん回した場合、ガソリンエンジンからの有毒排ガスやCO2も相当なものになると思われます。
ということは、排ガスを減らす手段は単純に小排気量少気筒のNAポート噴射な非力エンジンにするってことなんでしょうけど、そうすると走りの面でまったくつまらないものになるわけで。


反面、欧州PHEVだったら、それらの問題はクリアできるようになると思います。

基本的に環境性能を重視しても走りを諦めないのがドイツ車ですから、モーターもそこそこ強力な物が積まれているものばかりです。
したがって、発進時や低速域からの再加速では、極低回転から最大トルクを出すモーターの特性を活かしたきびきびした走りが期待できるわけで。
さらに言えば、それらのモーターは出力・トルクのスペックもさることながら、最高速120~130km/h程度までモーターのみでいける車種がほとんどです。

また、発進・加速時や登坂時にモーターがアシストすることにより、エンジンの高負荷シーンが低減され、それに伴って排ガスやCO2エミッションの量を減らすことにも繋がります。
その一方で、エンジンは通常スペック以上の物を積んでいる車種が多いので、ガソリンエンジンの走りやフィーリングも楽しむことが出来るわけで。


そんなこんな考えると、やっぱり欧州勢が優位に思えるんですよね。
贔屓しているつもりはないのですが(笑)
特に世界市場、プレミアムセグメントにおいてはそれが顕著でしょう。

まあ、先にも書きましたが、国産で言えばアウトランダーPHEVとかちょっと気になってはいるんですけどね。
昔、三菱さんにはお世話になりましたし。
ただまあ、選択肢がそれだけってのがちょっとアレなんですよね(∴プリウスは対象外)。

それなら充実している欧州勢から選ぼうって思うのが、通常の消費者心理に思えますが。
やっぱり、欧州車贔屓なのかな?(笑)

国産も色々な車種でPHEV充実させればいいのにね。


んでは!








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