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マスカラ・フェスティバル

私たち家族の住むシライ市が属するフィリピンの西ネグロス州。この州は日本の四国よりやや小さなネグロス島の西半分を占めていて、その州都がシライから車で30分ほどの距離にあるバコロド市。県庁所在地みたいなものですね。

この時期は、そのバコロドで年に一度のお祭り「マスカラ・フェスティバル」が開かれます。マスカラとはスペイン語の「仮面」Mascara のこと。しかし、マスカラ・フェスティバルの場合は Masskara と綴ります。Mass は群衆とか集会のことで、カトリックの礼拝「ミサ」も英語では Mass。Kara はスペイン語の「顔」に由来していて、「仮面」と「たくさんの顔」というダブル・ミーニングなのだそうです。

私は名称からして、スペインの統治時代から続くお祭りかと思っていましたが、調べてみると意外に新しく1980年から。この頃世界的な砂糖価格の暴落があって、ほとんどサトウキビの生産だけに依存しているネグロス島の経済は、相当な打撃を受けました。そんな状況での暗い雰囲気を吹き飛ばすために、笑顔の仮面をつけてみんなで踊ったのが始まり。

今も経済のサトウキビ依存体質は変わっていませんが、マスカラ・フェスティバルはフィリピンを代表するフィエスタ(お祭り)の一つに成長し、フィリピン国内だけでなく、海外からもたくさん観光客が見にきます。メインは目抜通りで盛大に行われるパレード。一見リオのカーニバルを思わせるような賑わいです。


ところが私は人混みが大嫌い。関西に住んでいたのに京都の祇園祭は1回だけしか行ったことがないし、大阪の天神祭に至っては参加経験ゼロ。十日戎も初詣もダメという、まったくひねくれた性格です。当然ながらマスカラの場合もすぐ近くに住んでいながら、お祭りの時期にはネグロス市内に入ったことすらありません。

それが今年はアメリカのシカゴに住む家内の義理の従弟ルパートが、お父さん危篤の報を受けてバコロドの実家へ急遽戻ることになりました。フィリピンに滞在できるのは、ほんの数日でマスカラど真ん中の日曜日にしか会うチャンスがない。仕方なしに昨日の日曜、家族で行ってきましたバコロド市。

自分で運転するのが怖くて、途中のタリサイ市で自家用車を置いてタクシーで向かったのが、バコロド最大のショッピングモール。ここのレストランで、ルパートとその他の親戚数名と一緒に昼食。やはりモール内はお客さんがいっぱいで、マスカラをテーマにした派手な飾り付けがあったり、ウェートレスや売り場のスタッフが仮面つけたりタットゥー状のメークをしたりのお祭りムード満載。


しかしパレードがあるラクソン通り以外では、それほどの混雑はありません。もう終日動きが取れないのではと覚悟していただけに、ちょっと拍子抜けでした。



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