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リチウムイオンバッテリーの10倍のエネルギーを持つリチウム酸素バッテリー(リチウム空気電池)、電動化時代のカギを握るか

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次世代のエコカー最右翼、電気自動車(EV及びプラグインハイブリッド)。
課題はその重さや航続距離の短さだったりするわけですが。
その原因は、現在主流のリチウムイオンバッテリーにあるわけで。

実はこのリチウムイオンバッテリーに置き換わる、リチウム酸素バッテリー(リチウム空気電池、リチウム・エアー・バッテリー)が実用化に向けて開発中なんだとか。
なんでも、リチウムイオンバッテリーの10倍の単位容量を持つことが可能らしく。

その仕組みは、こんな感じです。
すっごく簡単に言うと、空気中の酸素とリチウムを化学反応させて電気を作るってことらしく。
充電時は酸素を放出し、放電時は酸素と吸着するといった形のようです。

この技術自体は1970年代からあるようで、1990年代にはアメリカで特許化され、日本でもさまざまな研究が行われているようですが、固形物質が生成されて放電が止まったり、腐食が起きたり衝撃に弱かったりと、もろもろ課題があったようです。
ですが、なんやかんや研究が続けられ、着々とそれら課題をクリアしていっている模様です。


先にも書いた通り、リチウム酸素バッテリーはリチウムイオンバッテリーの弱点である重量を克服できるものです。
その理由は、単位容量(単位質量辺りのエネルギー容量)が大きいためですが、分かりやすく表すとこんな感じかと。

リチウム酸素バッテリーの場合、陽極(カソード)がリチウムイオンバッテリーよりもかなり小型で済みます。
また、陰極(アノード)も相対的に小さくなるようです。
中に入っている材質にもよりますが、そんなこんなで同じ質量であってもリチウム酸素バッテリーはリチウムイオンバッテリーよりも10倍もの単位容量になるとされています。

これが実現すると、電気自動車の航続距離を延ばしたり、プラグインハイブリッドの弱点である重さを克服して走行性能を上げつつ燃費・電費を改善したり、バッテリーを省スペース化して室内空間を増やしたりと、いろんなことに有利になってくるわけで。
ぜひとも実現してほしいものです。


ちなみにこの研究、日本でもつい先日、科学技術振興機構(JST)と東北大学 原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の共同で研究成果が発表されたようです。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150902-2/

6倍の容量はともかく、100回のサイクルじゃちょっとな~って思うのですが、着々と研究が進んでいるようなのはいいことです。
これを見て我が子を東北大学に将来入れたいって思ったのは、私だけじゃないはずw

冗談はさておき、日本の研究が世界の役に立つとすれば、それは喜ばしいことかと。
ぜひ、10倍以上の容量で1000回くらいのサイクルが可能になるようにしてほしいですね。


んでは!








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