ライター:chika
管理栄養士。とある大学研究室にて助手を勤める。
流行のスーパーフード
「今年大注目のスーパーフードは◯◯だ!」「芸能人◯◯さんは、このスーパーフードを愛用中!」と、皆さんも目にしたり、耳にしたことはありませんか?今回はスーパーフードについて、文字に起こしてみます。
スーパーフードって何?
どのような食品がスーパーフードにあたるのでしょうか。一般社団法人 日本スーパーフード協会のHPから引用します。
”スーパーフードとは、はっきりと特定の食品を定義したものではなく「一般の食品よりビタミン、ミネラル、クロロフィル、アミノ酸といった必須栄養素や健康成分を多く含む、おもに植物由来の食品」という大前提のもと、提唱者によって異なる食品があげられています。”
このようにスーパーフードは、きちんと定義はされていません。日本スーパーフード協会が定める基準を見てみます。
”・栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。
・一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在で、料理の食材としての用途と健康食品としての用途をあわせもつ。”
スーパーフードは形状によって分類がされています。
パウダー、粒、種子(タネ)
スピルリナ、アサイー、カムカム、マカ、ウコン、ソバ、カカオ、チアシード、ココナッツなど液体、オイル
シークニン、生はちみつ、アマニ、ヘンプ油、ココナッツ油など木の実(ナッツ)、ドライフルーツ、フレッシュフルーツ、生鮮野菜
アーモンド、ゴジベリー、ゴールデンベリー、ブロッコリースーパースプラウト、アロエベラ、ザクロなどスーパーフードは、どうして流行るのか
スーパーフードが流行している理由はいくつか考えられます。私は「身近でない」ことがポイントだと思います。日本で話題になるスーパーフードの出どころは、ほとんどが海外です。「遠い存在(身近でいない)」の海外セレブが愛用している「聞き慣れない(身近にない)」食材。これらが日本で流行を生み出しています。その食材を食べたことがない、試したことがない、生活に取り入れたことがないからこそ「本当にこれはスーパーフードなのか?」ではなく、むしろ「これがスーパーフードなのだ!」と信じ切った状態からスタートしているのです。
海外セレブがある食材に効果を感じ、それに刺激を受けた日本の有名人が生活に取り入れ始め、メディアで紹介します。日本の流行の最先端を行くと思われている有名人は説得力があります。私たちメディアの受け手側には、その効果や魅力を信じて疑わない人も多くでてきます。さらにスーパーフードの多くはスーパーマーケットで簡単に手に入るので「実践してみたい」という気持ちに拍車をかけます。SNSの影響力が強い現代では、ここから瞬く間に世間一般に情報が広がります。
考えるべき、スーパーフードの必要性
ある栄養素や健康成分を突出して持つ、スーパーフード。言い方は悪いですが、スーパーフードなんかなくても、日本は食糧が豊かで健康な人が多く、他国と比べても健康寿命の長い国と言われています。なのに、なぜスーパーフードを求めるのでしょうか?
健康の維持・増進やアンチエイジングに期待し、スーパーフードを積極的に摂る人がほとんどです。しかしなんの予備知識もなく摂る人がいるのも事実です。もちろん食材ですから、食べ合わせや調理方法、食べる時間やその量への配慮は必要です。正しい食べ方をしないと栄養素や健康成分は効果を発揮しないのです。
おそらく予備知識なく摂る人は「世界レベルの流行に敏感な自分」「海外セレブと同じものを食べている自分」に対する自己満足から、スーパーフードを日常に取り入れているのでしょう。そういう人ほど、長続きはしません。(笑)ただ、この自己満足は決して悪いことだけではありません。スーパーフードという頼れる存在によって安心したり、気持ちが落ち着いたり、前向きになれる人だってきっといるはずです。
最後に
より健康になりたい、より綺麗になりたい、と思うのはヒトが持つ普通の感覚です。そのために何をすれば良いのか。そんなことを考えるとき、ヒトが生きていく上で欠かすことのできない「食べ物」というツールは、なんの資格がなくても、誰にでも試せるものなのです。ここで一番大切なのは、話題になっている食材にやみくもに手を出すことではありません。自分の身体や心が本当に欲しているものを把握し、その食材と上手に付き合うことが重要です。栄養素や健康成分はもちろんですが、ヒトの生活や心までもより豊かにできるなら、それこそが本当のスーパーフードです。
引用:一般社団法人 日本スーパーフード協会 「スーパーフードとは」
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