年が明けてから、なかなか更新できなかったです。しかも今回書こうとしているのは、年末にあったニュースからです。「メガバンクも本気で取り組むフィンテック」を書いた時に2015のフィンテック関連の最後の記事にするって言ってしまったので、これは2016に取っておきました。
FinTechで「嵐を呼ぶ」freee 大手銀と組み中小企業向けで融資革命(ITproの記事)
これは銀行、信金など融資をメインの業務にしている会社に勤めている人は知っているニュースだと思います。
freee(フリー)のサービス
freeeは以前の記事(「フィンテックって何?」)でも紹介した会社なんですが、読んでない人にもまずはfreeeのサービスについておさらいしましょう。
クラウド会計サービス
freeeは企業などの経理業務を便利にします。日々の経費などを従業員もスマホなどで入力ができます。また銀行口座やカードの情報なども自動で取得するので、日々の経理業務の手間を大きく減らせます。請求書 、見積書、納品書なども作成でき、さらに売掛金や買掛金の情報も管理できます。こういった情報をきちんと取得、入力していくことで資金繰りをすぐに確認できることも便利ですね。試算表や決算書も簡単に作成できます。
これから起業する人も便利
定款や登記書類なども簡単に作成することができるので、起業したい人にもかなり便利なサービスです。とりあえず会社運営に関することの多くはfreeeで完結させることができます。専門家からのアドバイスなども受けられるため、中小企業や個人事業主には強い味方です。
融資が大きく変わる
今回発表があったのは三菱東京UFJやみずほ銀行などの大手銀行と共同で融資サービスを開発していくとのことです。
会計サービスのfreeeが融資サービス?
銀行などの金融機関が融資をする際、必ず行われることが与信審査です。これは決算書や事業計画書などをもとに融資した 後にきちんと返済していくことができるのか判断するために行います。freeeは企業などの日々の会計データが残っているので、このデータをもとに金融機関の与信審査を行えるようにしていくのです。「え?でもそれって今までと、あんま変わんないじゃん。」と思われた方も多いのではないでしょうか。しかし、このサービスがきちんと運営されれば、かなり大きな変化が起こる可能性があります。
なぜ大きな変化が起こる可能性があると私が思うのか。それはfreeeと金融機関はもちろんですが、中小企業にもメリットが大きいからです。
審査ってどんな所を見ているか
そもそも金融機関が中小企業に融資する時ってどんな所を見ているのでしょうか。まぁ、ここでは書ききれないぐらい多くの所をチェックして審査をしているんですが。ザックリと挙げるとすれば、企業の体力、過去の実績、将来性、経営者の能力なんかでしょうね。
(この程度の説明ではあまりにもザックリしていることは理解していますので、金融機関で勤めている方は怒らないでください。中小企業への融資については機会があった時に書いてみようと思います。)
こんな所を見ている訳ですが、そもそも決算書や試算表や資金繰り表や事業計画書などの数値とかがそもそも間違っていたり、信頼性の薄いものだったらどうでしょうか?これは大変ですね。でも中小企業や個人事業だとチラホラですが、こういうケースは見受けられます。そこらへんの確認作業に審査の時間がかかることもあります。
freeeを利用していれば信頼性が上がる
そこでfreeeですね。日々の経理業務をクラウド上で自動で行うため、数値の間違えは減りそうです。また売掛、買掛金の管理なんかも行っているので、回収や支払いの遅れがあれば、すぐに分かります。つまりfreeeを利用していることが企業の信頼性を高めることになります。また企業がきちんと事業の現状を把握することができます。適正な資金計画が立てやすそうです。さらに金融機関が審査しやすい、ということは与信審査終了までの時間が短くなるでしょう。これも金融機関と企業の両方にメリットがありますね。
freeeが日本でのFinTechを加速させる
freeeは、今後も会計をもとに色んなサービスを展開していきそうです。三菱東京UFJ銀行が開催した「FinTech Challenge2015」では請求書をスマホで撮影すると支払いが完了するサービスを提案し、大賞を取っています。今回紹介した融資サービスも解決しないといけない問題も多いようで、いつサービス開始になるかは分かりません。しかしfreeeが日本のFinTechを加速させる存在になるのは間違いなさそうです。
日本の大手銀行がFinTechにやっと本格的に動き出した、という感じですね。古い体質のイメージがある金融が進化していきそうです。2016年になってからはFinTech関連のニュースをよく目にします。今年のキーワードになりそうですね。
もう少し暇つぶし…
大手銀行などが取り入れているIBMワトソンなどの人工知能。freeeのデータをもとにした融資が一般化すると、より細かい融資に関するデータが溜まります。これを人工知能と組み合わせると、さらに融資業務は変わっていきそうです。
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