シェアリングエコノミー。みなさんにとって、もう大分聞きなれた言葉でしょうか?それとも、まだよく分からない言葉でしょうか?
ザックリ言うと「モノの共有」です。自分が持っているモノを、他の誰かにも使ってもらう。シェアリングエコノミーはここ数年で、ものスゴイ勢いで市場を拡大しています。
今回は今更聞けないけど、知っておきたいシェアリングエコノミー。その代表格である、Air bnb(エアービアンドビー)とUBER(ウーバー)をちょっと知ってみましょう。
Air bnb
Air bnbのHPより |
Air bnbは2008年にサンフランシスコで設立された会社です。空き家や空き部屋を貸したい人(ホスト)と宿泊したい人(ゲスト)を結びつけるサービスを提供しています。
未上場の会社のため、正確な数字はわかりませんが、2015年で企業価値は約3兆円と言われています。よくホテルなどと比較されるAir bnbですが、この企業価値は世界の大手ホテルグループであるヒルトン・ホテルズ・コーポレーションを上回っています。
どうやって売上をつくっているか
具体的なサービスは、Air bnbに登録したホストが普段使っていない空き家や空き部屋を登録します。宿泊料金などの細かい条件はホストが決めることができます。宿泊までにゲストとメールなどでやり取りして、宿泊させたくなければ、断ることもできます。
ゲストは場所、写真、条件などから検索して、予約します。料金はAir bnb上で支払うため、ホストとゲストは直接金銭のやり取りはしません。
Air bnbはホストから決済代行料として宿泊料金の3%、ゲストからは斡旋料として6〜12%を徴収して収入としています。
安価な部屋を見つける。オシャレな部屋を見つける。人との交流も
宿泊料金はホストが決定しているため、思わぬ好立地に安い宿泊先を見つけることができるかもしれません。空き家や空き部屋に宿泊するため、ホテルなどとは違った、自分の感覚にあった部屋を見つけられることもあるでしょう。
またホームステイのような形で提供しているホストもいるため、その国ならではの文化や交流も経験できることもあります。
Air bnb HP
UBER
UBERのHPより |
UBERを運営するウーバー・テクノロジーズは2009年にサンフランシスコで設立されました。タクシーや、一般の人の自家用車も登録すれば配車されます。移動時間の短縮やライドシェア(相乗り)により交通渋滞の緩和、飲酒運転の減少などが期待されています。
ウーバー・テクノロジーズも未上場の会社です。2015年には企業価値は7兆円を超えているようです。もし日本企業であるならばトップ10に入ってきます。(ホンダが約7兆円)この規模拡大はすさまじいですね。
UBERの収入源
UBERにドライバーが登録すると、アプリから配車リクエストを受け取ります。そこで、顧客の情報を確認して、目的地まで顧客を送ります。運賃はUBERに登録したクレジットカードに請求がくるので、顧客とドライバーとの現金のやり取りはありません。またタクシーを日本以外で利用するときにチップなどの心配もありますが、UBERはその心配も必要ありません。
UBERは顧客が支払った運賃から約20〜30%を手数料として差し引いてドライバーに支払います。
待ち時間の短縮。料金の軽減。好きな車にのることも
タクシーだけでなく、一般の人もドライバーとなるため「すぐに乗りたい」と思った時に待ち時間が少なくなります。また同じ方向へ向かう人とライドシェアすることで、支払う運賃が少なくなります。
また様々な価格帯があり、ちょっと高級車に乗る。など気分などによって車種を選ぶこともできます。UBERをもとに生計をたてている人もいるため、普通のタクシー会社とは違うサービスを受けられることもあります。
UBER HP
シェアリングエコノミーには、まだまだ問題も…
世界の多くの国や都市で利用され、急成長を見せる両社ですが、多くの問題を抱えているようです。それが規制の問題ですね。日本の場合を見てみましょう。
Air bnbの場合
最近よくニュースなんかで「民泊」という言葉を聞きませんか?ホテルや旅館、民宿は旅館業法の規制の下で運営しています。旅館業法の下にないのが民泊です。反復して継続的に収入を得ている状況では、許可を得る必要があります。しかしAir bnbの登場により、民泊で収入を得ることができるようになりました。しかしこれは無許可となります。
また旅館業法の問題だけではありません。賃貸した部屋をAir bnbで貸し出しするケースもあるようです。しかし賃貸借契約書なんかを見て頂くと、結構な割合で転貸禁止が書かれています。
「民泊」施設を初認定 東京・大田区(NHK)
しかし日本ではインバウンドの増加により宿泊施設の不足が問題となっています。政府でも規制緩和が議論されています。また東京大田区では民泊に関する条例を制定して注目を集めています。
UBERの場合
タクシー事業の場合、一般常用旅客自動車運送事業の届出であったり、ドライバーが第二種運転免許を持っている必要があります。資格などがない場合は白タクと言われて、違法となっています。実際UBERは2015年に国土交通省から指導があり、サービスを中止したりしています。
UBERのようなサービスが普及すると、よい効果もあります。さきほど書いた、交通渋滞緩和、飲酒運転減少、運賃の軽減などもそうですが、何より過疎地で効果は大きいと思います。過疎地で、観光客を取り込むためには交通の便をよくすることは1つ課題となるでしょう。住んでいる人が少ないのに公共交通機関は本数や台数を増やすことは難しいです。そこでUBERなどが期待されています。こちらについても規制緩和の議論がなされています。
今回はシェアリングエコノミーで特に目立った存在であるAir bnbとUBERを紹介しました。
自分は映画「ALWAYS 三丁目の夕日」が好きです。映画の中で登場する「鈴木オート」の社長である則文は新しいもの好きで、テレビを近所でいち早く購入します。そして近所中の人を家に呼んで、力道山の試合をテレビで観戦するんです。モノを共有し、感動を共有する。昔は当たり前だった感覚を、シェアリングエコノミーは新しい形で提供してくれるかもしれません。
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