前回(「日銀が当座預金金利をマイナスに。マイナス金利についてザックリ知る。」)日銀当座預金の、どの部分にマイナス金利が適用されるのか書きました。今回は、どういうねらいがあるのかを書いていきます。今回も難しそうな言葉がたくさん出てきますが、なるべく説明を加えるつもりなので、時間を見つけてちょこちょこ読んでもらえるとありがたいです。
マイナス金利のねらいとは
日銀の言葉をそのまま書くと「金利全般に下押しの圧力を加える」とのことです。「意味わからん…。」実はこれはそんなに難しくないです。
お金借りたり、貸したりすれば避けられない言葉が金利ですね。家を買う時にお金借りたり、奨学金を借りる時など金利は色んなところで登場します。皆さんの預金も、銀行側から見るとお金を借りている状態なので金利が登場します。預金利息ですね。(「預金すると手数料?」)
日銀は、この色んな所ででてくる金利を下げていく流れをつくりたいんです。
金利を下げると
「何となくわかった。でも金利を下げたらどうなんの?」そこですね。まず思い出してほしいのが、銀行は日銀に当座預金としてお金を預けていたこと。そしてそれに今までは0.1%の利息がついていたことです。でも私たちの預金には、利息は無いに等しいぐらいしかつきませんね。めっちゃザックリ言うと、銀行が企業や個人にお金を貸して金利で儲けるという本来の仕事をしなくても、預金を集めて日銀に預けたら、ある程度儲けることができていた、ということです。
日銀当座預金の金利がマイナスになると、銀行は日銀に預ける意味がなくなりますね。ですので「融資なんかにお金がいくだろう。」「そうすると投資なんかにもっとお金も回るだろう。」というのが日銀のねらいです。
日銀は金利全体が下がるようにしたいので、消費者目線になってもお金を借りるときの金利が下がります。住宅とか購入しやすくなりますね。金利全般に下押しの圧力をかけて、企業、個人の全てが消費や投資にお金をもっと使いやすくする環境にしたいのですね。
マイナス金利の効果はあるのか
「なるほど。マイナス金利にしてお金のめぐりを良くしたいと。でも本当に効果あるの?」
正直それはわかりません。
「偉そうに書いといて、そりゃないわ。」しかしこれを決定した日銀ですら意見が分かれているので、はっきり効果があると言い切れる状況ではないのです。日銀は金融政策決定会合というところで、金融政策を決定します。今回のマイナス金利導入は賛成5、反対4で決定しているんです。
「え?何か、これってものすごい色んな影響が出そうな雰囲気だしてるのに、そんなはっきりしないの?」本当のところの考えとかは自分が日銀の偉い人じゃないので分かりません。しかしおそらく日銀は、その色んな影響が出そうな雰囲気を出したかったのだと思います。
本当のねらい?
株式投資とかやっている人なら、ご存知でしょうが、2016年に入ってから日経平均株価は下落しまくっていました。
日経平均の日足チャート |
上のチャートは日経平均の2015年12月末からの日足チャートです。確かに年明けからすごい勢いで株価が下がっています。為替も年初は1ドル120円程度でしたが、一時は1ドル116円程度まで円高になっていました。これを何とか打開したかったんでしょう。実は黒田日銀総裁はマイナス金利は考えていない、というような発言をつい先日までしていました。そこにカウンターでマイナス金利決定。
ドル円の日足チャート |
為替も円安に向き、株価も多少回復。短期的には市場へのアピールが成功しました。金利を下げると円安になるのは、金利が低いと円を持っている意味が薄れるので、円を手放すからですね。
ぼちぼち書いている日銀のマイナス金利について。次回書くとしたら、どういった影響が考えられるのか。になると思います。
もう少し暇つぶし…
ヨーロッパなんかではマイナス金利を適用していたりします。日本と同じように、銀行に融資や投資なんかを積極的に行ってほしい、と考えたからですね。しかしそう単純ではなさそうです。お金を貸さないといけない状況になっても、企業なんかが借りる姿勢がないと貸せないです。そのため銀行の収益が圧迫されている状況もあります。果たして日本はどうなるのでしょうか。
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