直近で言えば、梅田の意識喪失暴走事故、山陽道のトンネル事故、世田谷区の飲酒暴走事故(個人的には殺人罪に問えばいいと思う)などなど、本当に目を覆いたくなるような事故が相次いでいます。
その度、半自動運転以上の運転支援システムがあれば、もしかしたら防げたんじゃないか。。
そう思ってならないのです。個人的には、そう考えるのは大間違いだと思っています。
欧州やアメリカでは、あくまで安全運転に寄与するものと認識して開発なりされていると思うんですよね。
日本でもメーカーや行政は根本ではそう思っているのかもしれないのですが、何かこう、それが世間には浸透している感じがしません。
何が言いたいのかというと、「自動運転は交通安全に寄与するためにある」というのが大前提だということです。
そのうえで、今回の記事を書きたいと思います。
まずもって、これら悲惨な事故を防ぐのに有効だなと思われる各技術を列挙してみたいと思います。
- 高精度マッピングと高精度位置情報システム
- リアルタイムに情報が相互通信できる車載ネットワーク
- 標識や信号を識別できるカメラを利用したシステム
- 周囲の障害物を認識するミリ波や音波のレーダー装備(今よりもっと高精度かつ長距離のもの)を利用したシステム
- 運転手の状態をモニタリングするシステムと、運転手が無反応の場合に安全に自動停車するシステム
【梅田の意識喪失暴走事故】
≪事故概要≫
大阪・梅田の繁華街で乗用車が暴走し歩行者10人が死傷した事故。運転手は事故直前に体調の異変を感じて停車したが、その後に心疾患等を発症した模様で、意識がないまま車を暴走させたとみられている。
≪これがあれば防げた?と思う機能≫
4、5
≪理由≫
運転手は急病で意識がない状態であったことから、そのような場合に車の走行を制御するシステムがあればそれで防げたのではないかなと思います。ちなみにこれ、ドイツ本国のVWパサートでは「エマージェンシー・アシスト」として用意されている装備ですが、日本仕様はなぜかない模様。。こういうところが残念なVWJ。
ここまで大袈裟な装備じゃなくても、自動ブレーキが付いていればあんなことにはならなかったようにも思います。ただ現時点の自動ブレーキは歩行者等にしっかり反応するものは少ないんですよね。現状、レーダー単体では歩行者検知はほぼムリですし。カメラも、夜間や天候や日照条件によっては使いものにならない場合もありますし。そう考えると、レーダーがもっと高精度になって歩行者もレーダー単体で検知できるようになって、それをカメラと併用することで、より確実に歩行者等を保護できると思います。
【山陽道のトンネル事故】
≪事故概要≫
東広島市の山陽道下り線八本松トンネル内で、渋滞で停車している車両群にトラックがノーブレーキで突っ込んできて発生した多重衝突事故。トンネル内で火災が発生し、煙も立ち込めた。この事故で2名が亡くなり、90名ほどが負傷した。
≪これがあれば防げた?と思う機能≫
1、2、5
≪理由≫
高精度マッピングと車載ネットワークとそれに連動する自動ブレーキがあれば、渋滞中のトンネルに突っ込まなくて済んだはずと考えます。
おそらく、そのようなシーンでは普通の自動ブレーキ(カメラやレーダーのみ)では防げなかったと思うんですよね。レーダーはそこまで飛ばないし、カメラじゃトンネルの外から中は認識しきれないと思うので。そもそも、大型トラックで制動距離的にも厳しいものがありそうですし。
また、運転手はどうやらクルコンを使用していてその間に寝落ちしてしまった模様です。なので、運転手をモニタリングするシステムや、それでも反応がない場合に路肩等に安全に停車できる半自動運転システムがあれば、それによっても防げたかなと。
≪事故概要≫
世田谷区で無免許の男が2時間ほどの飲酒後、知人から譲り受けた車で暴走し、赤信号を無視したところ、運悪く衝突したタクシーの運転手が亡くなった事故。犯人はたまたま居合わせたパトカーから逃げるため急加速し、衝突時には速度が160km/h程度に達していたとみられる。
≪これがあれば防げた?と思う機能≫
3
≪理由≫
カメラが今より高精度になって信号機や標識を読み取るようになってくれれば、それにアクセルやブレーキを連動させることによって、あのような無謀な殺人運転を防げたのではないかと思います。
さらに言えば(ちょっとズレますが)、呼気検知機能や運転免許に埋め込まれたICチップと通信することで、飲酒者や無免許者を強制的に排除するやり方もできるのでは、とも思います。
・・・とまあ、こんな感じですかね。
あくまで、個人的見解ですが。
完璧な物をいきなり完全な状態で揃えるのはムリですが、少しずつでもこの手の技術を搭載した車両が増え、それによって安全運転につながっていけばいいのにな~って、わりかし真面目に思うんですよね。
冒頭も書いた通り、自動運転やそれにまつわる技術は、安全運転に寄与することを一義的に考えないといけないはずです。
なにかこう、メディアを見ていると楽ができるとかそんなことに焦点を当てていますが、これ、全然違うと思います。
人間はミスをする生き物です。
どんなに運転が上手い人でも、四六時中ピークの集中力や注意力を維持して運転するのは困難ですし、疲労や過失によって事故につながることもあり得ます。
運転は一瞬一瞬の判断の連続ですから、これを人のみに任せておくのはどこかで「運を転がす」ことになっているわけです。
そのような人間が運転するわけですから、機械に任せられる部分は任せて、不完全な人間の運転を補完する必要があるわけです。
ここでいう補完は、あくまで主体は人間であって機械ではありません。
あくまで運転は人間が主体でなければなりませんし、自動運転がどんなに進化しようともその序列を冒してはならないと考えています(持論)
ちょっと話がそれましたが、要するに半自動運転や自動運転は交通安全のためのものであって、利便性を優先して開発はしないでほしいし、世間一般にもそういうために開発していることを認識させるべき、と思っています。
また、開発者やメーカーの方がもしこれをご覧になっていたら、この失われた生命・人生を無駄にしないように、しっかりと肝に銘じて開発して頂きたいと思います。
私ごときが言うまでもないかもしれませんが、宜しくお願い申し上げます。
ちょっとマジメすぎましたが。
まあ、たまにはいいでしょってことで。
んでは!
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