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文部科学省の動画が話題に 〜ラップはただのブームか?〜





いきなりですが文部科学省の動画を紹介します。




ラップで想いをぶつけ合う父と子(BuzzFeed)

BuzzFeedが取り上げたことでも話題になっている文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」の動画「Dear Father」。

RHYMESTERのMummy-Dと俳優の村上虹郎が親子役で将来についてラップで語り合うという動画です。動画を見た方は胸がグッと熱くなったと思います。

最近テレビなどのメディアでもラップがピックアップされることが多くなりました。では今回はラップやヒップホップについてサクッといきましょう。

フリースタイル(即興ラップ)ブームが起きている!


テレビやYouTubeで見たことがある方がいるかもしれません。DJが曲を流して、それに乗せて即興ラップで相手と言い合うフリースタイルバトル。このバトルの注目度が上がっています。

高校生RAP選手権


BSスカパー!の「BAZOOKA!!!」という番組。この番組の企画「高校生RAP選手権」がフリースタイルバトルブームの火付け役でしょう。

全国の高校生ラッパーがオーディションを受けて、全国大会でフリースタイルバトルをするというもの。これがYouTubeで人気が広まり、参加者や観客などの大会規模は毎回大きくなっています。

高校生とは思えないスキルの高さ。そして高校生のラップにかける一途さが見ている人の心をつかみます。既にT-PablowやMCニガリのような次世代のヒップホップスター候補がでてきています。



ちなみに先日大阪で開催された第9回の放送は4月18日の午後9時から放送です!そして何と第10回はいよいよ日本武道館で開催!こちらは8月30日に行われるとのこと。


フリースタイルダンジョン


高校生RAP選手権の注目もあってか、フリースタイルバトルはキー局でも番組がスタートしています。それがテレビ朝日の「フリースタイルダンジョン」。火曜の深夜1時26分から放送しています。

こちらは既にフリースタイル巧者として名を上げている”モンスター”に”チャレンジャー”が挑み勝ち進むと賞金を獲得できるというもの。

3本勝負やクリティカルヒットなど特殊なルールもあり、以前よりヒップホップが好きな人も楽しめる仕組みが取り入れられています。

この「フリースタイルダンジョン」は放送後の水曜日にYouTubeに放送がアップされます。「高校生RAP選手権」同様に、このYouTubeの効果もあってか、今までヒップホップに興味があまり無かった 人にもバトルが見られるようになりました。テレビ朝日のように有料の動画配信サービスも提供している会社としては面白い試みです。



クラブイベントでもバトルは人気


このバトル人気はメディアに限った話ではありません。「現場」であるクラブイベントでも同様のようです。しかもただバトルを開催するだけでなく、それぞれが趣向を凝らしています。

有名なバトルトーナメントのUMBやKING OF KINGSは日本一のフリースタイラーを決める大会というようなブランディングをしています。

他のバトルイベントだとネットでライブ配信をしてネット上の観客にもTwitterで審査員として加わってもらう。や2対2のタッグバトルを開催したりと面白い試みがどんどん出てきています。


ネットと相性がいい?


「高校生RAP選手権」や「フリースタイルダンジョン」に見られるのはYouTubeでの人気です。ラップとネットが相性がいいのでしょうか?自分の考えだと、たぶんバトルとネットが相性がいいんだと思います。

現在スマホでの動画視聴が増えています。スキマ時間に見る人も多いでしょうからコンテンツは短時間で楽しまれるものが人気が出やすいでしょう。(Vineが若い人に人気が出たように)

フリースタイルバトルはルールにもよりますが、1試合約5分程度で見れてしまいます。番組全体を見なくてもバトル毎にくぎって見ることができますね。

日本ではラップはウケない?


テレビ番組の影響もあり、今フリースタイルバトルは人気が出ています。

何となく今まで日本ではラップやヒップホップはあまり受け入れれていないイメージがありますが、過去はどうだったんでしょうか。

実は以前にもヒップホップが注目されていた時期はあるようです。

・1994年に結成されたEAST EMD×YURIの「DA.YO.NE」。EAST EMD×YURIは紅白歌合戦にも出場しています。

・1999年はDragon Ashの名曲「Grateful Days」が発売しています。客演しているZeebraのリリックを覚えている人も多いと思います。

”東京生まれHIPHOP育ち 悪そうな奴は大体友達” Dragon Ash feat. Zeebra,ACO 「Grateful Days」より

・00年代前半にはKICK THE CAN CREWやRIP SLYME、KGDR(当時はキングギドラ)がチャート上位を獲得したり、テレビ番組に多く出演していました。

それぞれの曲やアーティストは人気が出たものの、ヒップホップ自体が日本に浸透するまでには至らなかったように思います。

音楽として楽しんでもらえるか。


そして再度ヒップホップが注目されてきたので、きちんとマーケットとして確保するためにもフリースタイルバトルだけでなく、文化や音楽として好きになってもらう必要がありそうですね。

「高校生RAP選手権」や「フリースタイルダンジョン」ではバトル以外にもライブの時間をつくり、楽曲を聴いてもらう機会をつくっています。

日本一のフリースタイラーと言われるR-指定はネット、テレビなど多くのメディアに登場していますね。

漫画家×ラッパー異色対談 曽田正人×R-指定(HONZ)

ラップは想いをより強調する表現


ラップの表現法は非常に面白いです。もっとも特徴的なのは韻ですね。主に文末の母音を合わせていくものです。さらに表現力をあげるために体言止めや倒置法なんかも使ったりもします。あとはフロウと言われるラップの歌い回しです。パッと聴いた感じは単調なラップですがフロウを変化させたり音に合わせることで、より言葉の意味に重さが出たりします。

それらのラップの表現を上手く利用できているのが、最初に見て頂いた文科省の動画「Dear Father」ではないでしょうか。

今のバトルブームやこういうPR動画に使われるなどして、ラップの表現法が面白いことは多くの人が気付いていると思います。

しかもアーティスト(ラッパーもDJもトラックメーカーも)のレベルはどんどん上がってきており、それを後押しするイベントの運営者やレーベルなども試行錯誤しているようです。今回のラップブームは、ただのブームでは終わらないのではないかと勝手に考えています。

トビタテ!日本の若人!


グローバル化なんて言葉が使われだして、どれくらいの時が経ったんでしょうか。なんか自分が小学生の頃にはすでにあった言葉なような気もします。

日本だけじゃなく、世界を視野に入れて動いていくことが大切ということで文部科学省も留学を支援する「トビタテ!留学JAPAN」をやっているのでしょう。

ビジネスマンにしろ、研究者にしろ、世界に打って出る姿勢が必要なんでしょうね。それはラッパーも同様かもしれません。アメリカのチャート上位を日本のヒップホップがかっさらう日をファンの一人として楽しみにしています。


もう少し暇つぶし…


以前活動していた(今は活動休止?解散?)FIND MARKETというヒップホップグループがあります。このブログの名前ときっかり一緒なんでパクリと言われても仕方がないんですが、一応言い訳しときますと最初にブログの名前考えてアップした時に「アッ!」と思ったんですが語感がいいですし、自分が考えた想いとバッチリ一致してたので「Find Market」を使わせてもらっています。




FIND MARKETのアルバム「BASEMENT DUSK」は非常に好きなアルバムでした。

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