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ドゥテルテ勝利 電子投票集計の威力

前回の投稿で、「投票が済んでも結果が出るまで何日もかかる」と書いてしまいました。これは、フィリピンの皆様に謝らないといけません。2010年の大統領選で導入された電子投票集計は、思いっきりトラブって全体の17パーセンでしか使えず、結局ほとんどを従来通りの手作業による開票。かなりの混乱があったようです。


大統領から各議員・州知事・市長、全員分のでっかい投票用紙


二重投票防止の人差し指に塗布されたインク
怪我して赤チン塗ったみたい

ところが今回は、(フィリピンにしては)奇跡的にうまくいったらしく、投票日深夜にはドゥテルテの当選確実のテレビ報道がなされるほど。日本と同じぐらいのスピード感でした。ビジネス・ワイヤーの記事によると、投票締め切り4時間後に結果送信率80パーセントだったそうです。時代は変わったなぁ。

ドゥテルテは過半数には届かなかったものの、2位のポー候補に大差をつけたので、当日中の当確が判明したという側面もあると思いますが、それにしても驚きました。そして落選した対立候補は、選挙の不正を訴えてゴタゴタするのが当たり前だったのに、電子投票集計の信頼性が高く、翌日ポー候補は早々と敗北を認め、ドゥテルテが勝利宣言。

同じシステムを使っているので、地方自治体の首長や議員の当落も翌日には判明。投票翌日の早朝6時頃に、私の自宅から徒歩10分ほどの距離にある、シライ市長候補のマーク・ゴレツ氏の家から、けたたましい爆竹の音。近所迷惑な勝利宣言でした。このマークは、趣味がテニスだそうで、私のテニス仲間によると、マークが市長になったらシライ市営のテニスコートがキレイになるぞ〜とのこと。ホンマかな?


現職の副市長から市長になったマーク


やっぱり豪邸に住んでます

テレビニュースによると、ある市長選では得票数がまったく同じになってしまい、なんとコインを投げてその裏表で当選者を決めたそうです。決戦投票という選択肢はなかったんでしょうかね?

さて、本当に大統領になってしまったドゥテルテ。この人、歴代大統領では初めての、治安が悪く、貧困イメージが先行していたミンダナオ島の出身。15名中12名が首都マニラのあるルソンで、他はここネグロス島も属するビサヤ地方。政治経済はかなりルソン偏重のフィリピンで、この一事を見ても画期的と言えます。因みに貧しい家庭から身を起こし、今やフィリピンの英雄となった、ボクサーのパッキャオもミンダナオの生まれ。

フィリピン国民がついに大博打に出ました。この勝負、吉と出るか凶と出るか?


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