出典:Inquirer.net
またもや次期大統領のドゥテルテのお話。
この投稿を書くにあたって、当選後のドゥテルテについての日本語記事をざっと読み直してみました。「暴言」「犯罪撲滅」「対中国政策」などなど、いろいろ書かれているものの、正直に言って本当のところの政治手腕は「未知数」と言う感じ。
しかし、聞く所によると、すでに一部では犯罪率が下がり始めているらしく、ダバオ市長時代の荒っぽい業績の抑止効果が見えてきている。その他にも、警察官の給与アップの取り組みや、旅客鉄道敷設の計画(現在フィリピンには、マニラ首都圏以外に旅客鉄道は営業されていない)も取り沙汰されています。
「経済発展をもたらしたが、退屈」と評された前アキノ政権と違い、何かにつけ派手で記事になりやすいせいか、フィリピンの大統領にしては珍しく、日本でも話題になっているドゥテルテ。しかしフィリピン人の家内が言うところの、ドゥテルテの大統領選勝利のメソッドには、あまり触れられていないようです。
それはフェイスブック。
実際にフィリピンにいると、まるで全員がアカウントを持ってるのかと思うほど。ビジネスのためのページを開設するのも一般的だし、知り合いの知り合い程度のつながりでも、ガンガン友達申請が来ます。今回の選挙でも、老いも若きも政治絡みの投稿が本当に多かった。この国民的コミュニケーション・ツールを、最も有効に活用したのがドゥテルテなんだとか。
ドゥテルテが他の候補と比べて際立っていたのがメディア戦略で、伝統的にフィリピンでは、政治家が放送局や大手新聞に多額の賄賂を払って、好意的な報道をさせるのが当たり前。ところがドゥテルテは、この賄賂支払いを断固拒否。当然、テレビなどでは、対ドゥテルテのネガティブ・キャンペーンが溢れることになりました。
それとは裏腹に、フェイスブックでの有権者への訴えかけは熱心で、選挙の終盤、私のニュースフィードには、フィリピン人の友達にシェアされた、ドゥテルテ支持の投稿がずらりと並ぶことに。そして6月30日の大統領就任式。ドゥテルテが放送局追っ払っちゃったので、テレビは国営放送のみオンエア。でもフェイスブックでは、きちんとライブ中継予定。
乱暴で強権的な独裁者というイメージに偏り過ぎだったのは、お金を貰えなかった従来メディアの嫌がらせで、実はドゥテルテという人物、相当な切れ者だったようですね。
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