イギリスがまさかのEU離脱。。(Brexit もとい Bregret?)
現在の経済がどのように構築され、地政学的な力関係がどのように均衡し、それらが崩れた場合に世界がどうなるか、そして何よりそれらの負の影響の直撃を受けるのが自分たち自身であるということが分かっていないとしか言いようのない、この結果。
この選択をした大英帝国民と、議会制民主主義の根源である国民の負託をないがしろにするような方法に安易に走った今世紀史上最低の宰相に、この上ない失望を感じています。
で、そんな愚かな大英帝国人なんかどうでもよく(残留派の方は気の毒ですが)。
ようやく勢いがついてきたブリティッシュ・オートの雄、ジャガーの行く末が気になります。。
あんまり有利に働きませんよね、きっと。
おそらく考えられるのが、主要通貨に対するポンド安の影響でしょう。
自国通貨安になるので輸出という点では有利のようですが、いくら国内生産していたとしてもイギリス国外から部品の供給を受けるのであれば製造原価を引き上げますよね。
今回のポンドの下落は半端じゃないレベルですので、おそらくかなり製造原価を引き上げてしまうのではないでしょうか。
また、そもそも関税の行く末が分かりませんので、下手をすれば簡単に関税分が上乗せされることになるかもしれません。
これからEUのみならず各国とも関税に関する条約や経済協定(FTAなど)を結び直すことになるわけでしょうが、たったの数年やそこらで何ヵ国ともそれを同時調整できるかといえば、現実的には難しいと思います。
そもそも一番の難敵EUは相当な強硬姿勢に打って出てくるでしょうし、ともすれば各国もそれとの平仄を合わせるような場面もあるかもしれませんし。
したがって、EU脱退から数年は、日本においてもイギリス車に関税が課されることになるかもしれませんね。
いずれも、価格競争力を無駄にそぐ結果にほかなりません。
また、今後のジャガーという会社やブランドの成長という観点からはどうでしょうか。
今回のイギリス国民投票で離脱派に多かったのは、高齢者・低学歴・低所得といった階層の方々のようです。
裏を返せば、若者・高学歴・中高所得の階層が残留派だったわけですが、至極単純に考えるとそういう人々が今後、「大英帝国を捨てる」可能性はありますよね。
つまるところ、例えばジャガーの技術開発/デザイン/マーケティングなんかのヘッドオフィスの管理部門で将来有望とされるような方々が、イギリスを捨てる手段として、EU圏の他企業(ドイツ車メーカーなど)に転職する道を選んでしまうかもしれません。
管理部門ばかりでなく製造部門でも、例えばクラフトマンシップが必要な手作業の担い手が今後減る可能性も否定できないわけで。
もしこれが現実になるとすれば、おそらく価格競争力をそぐより悲惨な結果になる可能性があります。
少なくともジャガーは高級車ですから、そういう優秀な人材もそれなりに抱えておく必要があるわけですし。
ジャガー・ランドローバーはインド・タタの出資を受けているので資金面での心配は取り敢えず考えなくてもいいのかも知れませんが、人材の確保という点では非常に憂うべき事態に思います。
もしこれが現実になったら、ジャガーという会社価値の毀損やブランドの成長の芽が摘まれてしまうのは、言うまでもありませんよね。
そんなこんなで今後のジャガーですが、いろいろ厳しい状況に直面してしまうように思います。
せっかく勢いづいてきたところなので、あまり悪い影響を受けずに伸びていってほしいと願っているのですが。。
あまりいい予感がしないのが、正直なところ。
杞憂であればいいんですがね。
あ、あと007のボンドカーであるアストン・マーティンも気になるところ。
私がアストン・マーティンを手にすることは確実にないのでしょうが、夫婦揃って好きな映画である007のボンドカーがそれである以上、その行く末は気になります。
どうなることやら。。
【追記】
そうそう。
この国民投票は法的拘束力はないとのことなので、どんでん返しでやっぱりEU残留ってことはありえなくはないわけですが。
そうなった時には、ポンド安や関税の問題は生じないにせよ、イギリスの信認低下や若年層の失望による人材流出は起こり得るわけで。
いずれにせよ、ジャガー・ランドローバーやアストン・マーティンにとって、悪い影響はあっても良い影響はなさそうですね。
コメント
コメントを投稿