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アウディA4(B9)オールロードクワトロの不都合な真実 ~パサート(B8)オールトラックとの比較にて~

先日日本で発売された、新型アウディA4(B9)オールロードクワトロ。
そして、これから日本上陸を控える、フォルクスワーゲンのパサート(B8)オールトラック。
この2台の比較が、ここ最近のアウディの課題そのものであることに切り込んでみたいと思います。






まずは見た目から比較してみましょう。

フロントマスクですが、どちらもきちんとした主張があります。
これは好みの差になりますが、個人的にはどちらもどちらでありだな~って感じです。

続いてサイドビュー。
A4の方がシュッとしていてカッコいいですが、クロスオーバーワゴンというカテゴリですから、パサートのような実用感の方がキャラクターにマッチするような気がします。

リアビュー。
こちらはA4に軍配が上がる気がします。
引き締まりつつもワイド感があり、なかなかのオーラがあります。

インテリアのダッシュボード周り。
A4の方が若干高級かな~って感じですが、パサートも負けている感じがしませんね。
ましてパサートオールトラックの日本導入モデルは、インパネがフルデジタル(アクティブインフォディスプレイ)になるでしょうし、その差はさらに縮まるはず。

後部座席。
パサートの方が空間的な広さがあり、視覚的にも開放感があります。

ラゲッジルーム。
こちらもパサートの方が広そう。
とは言っても、どちらもかなりの広さで、一般的な用途なら不足することはなさそうですが。

そんなわけで、あまりA4オールロードクワトロに負けている感じのしないパサートオールトラック。
スペックと価格でも見てみましょうか。
ついでなんで、パサートの方のディーゼルモデル(日本上陸するならこれとの噂)も載せちゃいます。
※1ユーロ=120円換算
テスト車輌アウディA4
オールロード
クワトロ 2.0TFSI
VWパサート
オールトラック
2.0TSI 4MOTION
ベース価格€48,750
(約585万円)
€42,975
(約516万円)
外形寸法長さ×幅×高さ4750 x 1842 x 14934777 x 1832 x 1506
ラゲッジ容量
VDA
505-1510 L639-1769 L
排気量/気筒数1984cc / 4気筒1984cc / 4気筒
パワー185kW (252PS)
370 Nm
162kW (220PS)
350 Nm
最高速度246 km/h231 km/h
0-100km/h加速6.1秒6.8秒
NEDC燃費6.4L / 100km
(15.6km / L)
6.9L / 100km
(14.5km / L)
テスト実燃費9.3L / 100km
(10.7km / L)
9.6L / 100km
(10.4km / L)
パサート
オールトラック
ディーゼルモデル
2.0TDI
4MOTION
176kW(240PS)
2.0 DI
4MOTION
140kW(190PS)
ベース価格€47,250
(約567万円)
€43,600
(約523万円)
排気量/気筒数1968cc / 4気筒1968cc / 4気筒
パワー176kW (240PS)
500 Nm
140kW (190PS)
400 Nm
最高速度234 km/h220 km/h
0-100km/h加速6.4秒8.0秒
NEDC燃費5.8L / 100km
(17.2km / L)
5.2L / 100km
(19.2km / L)
※外形寸法とラゲッジ容量は2.0TSIと同じため省略

A4オールロードクワトロの方が、走行性能が上でありながら燃費性能も上ということですが。。
正直、その差は大して大きくなく。
むしろ、この価格差を埋め合わせるほどには至らないと思います。

ましてA4オールロードクワトロはB9から、縦置きエンジンタイプのクワトロ(AWD)でありながら通常走行時はFWD(前輪駆動)化してしまったので、ハルデックスカップリングを用いてAWDにしているエンジン横置きMQB群との差はますます見つけにくいわけで。
というか、MQB群の出来が良すぎるんでしょうね。

また、日本に上陸するパサートオールトラックは、ガソリン仕様の2.0TSIではなくクリーンディーゼルである2.0TDIと噂されていますが。
ご覧の通り、日常域では必要十分と思われるスペックでありながら、かなり優秀な燃費性能をほこっています。


なお、A4オールロード日本仕様(2.0TFSI)は658万円からです。
たぶん欧州でオプション扱いの装備類が日本で標準にしている分と、為替決済の時間差やオプション取引がらみか何かその手のごにょごにょでちょっと高めに出ているのでしょう。

翻ってパサートオールトラックの日本価格ですが、こちらはさすがに現時点では不明。
ですが、個人的な予想として2.0TDI(190PS)にそこそこの装備を付けても、600万円を下回るくらいの価格設定で入れてくるんじゃないかな~って予想しています。
そこで結局、60万円以上の差は軽く出そうなわけで。


結局、ここ最近のアウディって高すぎなんですよね。

クルマの値段って、いくらでつくることができるかという費用的側面と、いくらで売ることができるかという市場的側面があるわけですが、アウディは前者に軸足を置きすぎのような気がします。
結局、市場的側面を軽視しているような値付けをしてしまうから、同じグループ会社で出来がどんどんよくなってきたVWに喰われかけてしまうわけですよ。

ちなみにこの手のネタ、かなり前にも書いています。
 ☞新型A4(B9)って、新型パサート(B8)のおかげで割高感があると思う。

これも現実になっているようですしね。

おそらく、アウディA4(B9)オールロードクワトロとVWパサート(B8)オールトラックも、そんな感じになっちゃうんじゃないでしょうか。

アウディ、ちょっと価格戦略を見直さないとマズいと思いますけどね。
特に日本では。


んでは!

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