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クリスマス大好き 13か月給与法


フィリピン人は、クリスマスが大好き。
このフレーズ、今までブログで何回書いたことやら。バー・マンス(ber month)と呼んで、語尾が ber で終わる月は、全部クリスマスシーズンなのがフィリピン。9月(September)からお店のショーウインドウはクリスマスデコレーションが始まるし、BGMもFMラジオからもクリスマスソング。

年中夏なので、元からここに住んでいる人にとっては当たり前でも、寒い冬がある、北半球の国から移り住んできた人間にとっては、どうしても慣れない、最高気温30度の12月。師走の雰囲気ゼロだし、サンタクロースの服着たマネキンも、暑苦しいとしか見えません。


クリスマス休み前、最終日の小学校
夏休み前みたい

そんなへそ曲がりの私は、なぜフィリピン人がそこまで騒ぐのか、イマイチ理解できませんでしたが、最近やっと理由が分かった。それがクリスマスのボーナス。ボーナス支給なんて、日本の、それもある程度業績の良い会社にしかないのかと思ってたら、フィリピンでは法律があって、社員にはクリスマス前に、各従業員の1か月分を支払わないといけないそうです。名付けて「13か月支給法」(13th Month Pay Law)。

つまり、雇用主は年間12か月分にプラスして、業績が黒字だろうが赤字だろうが、雇っている人には、1か月分を余計に払わないといけません。労働基準法で決まっているのです。しかも、働き始めて1か月の人も例外ではないし、年内に辞めた人に対しても支払い義務がある。これは、経営者にとっては、相当な負担ですね。

でも、貰う側にいれば、そりゃ嬉しくなるでしょう。道理で早くから、皆さんワクワク・ウキウキになるはずだ。しかも、勤め人だけでなく、個人事業主であるタクシーの運ちゃんも、散髪屋のにいちゃんも、みんなクリスマス料金。

そう言えば、自宅を建ててる時、クリスマスには僅かながらでも、ボーナス支給してたなぁ。私たちが住むサブ・ディビジョン(宅地)は、周囲がフェンスで囲まれ、ショットガン持った警備員が常駐。全部で十人ぐらいいる、その人たちにも「クリスマス・チップ」。ここでは管理事務所の担当者が、家のオーナー宅を一軒づつ回って、お金を集めてます。

チップなので、額は決まってないけれど、リストにサインして金額を書き込むもんだから、みんな見栄を張って、500ペソ(約1200円)ぐらい支払う人も。ネグロス島では、大工さんの日給が、せいぜい300ペソぐらいなので、チップとしては、決して安くない金額です。

さらに週に2〜3回来る、ゴミ回収車のおじさんたちにもチップ。ご丁寧に封筒を用意して、これまた一軒づつ手渡し。相場はだいたい50ペソ(約120円)ぐらい。でも今日は財布に細かい紙幣もコインもなくて、仕方なく100ペソ払っちゃいました。

極め付けは、クリスマス・キャロル。子供も大人も、歌がプロ並みでも、耳を塞ぎたいレベルでも、お金持ってそうな家に目星をつけて、玄関前でいきなりミニ・コンサート。小学生のグループが、かわいい声で歌ってくれたりすると、有料でも嬉しいものです。昨夜のキャロルには、なんと息子のクラスメートの女の子が混じってました。

これは別に物乞いをしている訳ではなく、ごく普通のフィリピンの習慣。言ってみれば、日本のお年玉みたいなもんでしょうか。家内は、息子にも「来年は、キャロルしなさい」と焚きつけてました。

さて、我が家のメイド、ネルジーにもボーナスを上げないといけません。ところが、ネルジーは同じクリスチャンでも、クリスマスを祝わない「イグレシア・ニ・クリスト」の信者。家内は「クリスマス関係ないんなら、ボーナスも要らんやろ」と、ちょっと不機嫌です。そんな意地の悪いことを言ったら可哀想でしょ。



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