フィリピンに住み、フィリピン人の奥さんに料理を任せっきりの人は、毎食肉が中心で脂っこい料理ばかりで、飽き飽きすると言うのをよく耳にします。確かに、たまにフィリピンの友人と外食すると、豚肉や鶏肉主体の料理にご飯を山盛りのオーダー。ちょっとは野菜食べろよ〜と言いたくなることも。
でも、フィリピンには野菜料理もたくさんあります。フィリピン版八宝菜のチョプスイ。見た目が緑一色でデトックス向きな野菜スープのラスワ。以前、このブログでも紹介したナスビを使ったトルタン・タロンなどなど。フィリピン人がみんな、肉偏重の不健康な食生活を送っていると、思い込んでいる日本人もいるようですが、決してそんな人ばかりではありません。
私の場合は、移住後の方が献立のバリエーションが豊富になって、日本ではそれほど頻繁には口にしなかった、魚を食べる機会がぐっと増えました。魚が嫌いなわけではないけれど、以前は刺身や寿司がメイン。たまに自分で料理するのは、ブリの切り身を焼く程度。
魚をよく食べるようになった理由はシンプルで、週に3〜4回も、家の前まで魚を売りに来てくれるから。新居を建てて引っ越してから、かれこれ3年間ずっと同じオジさんが、朝7時過ぎぐらいに自転車漕いでやってきます。一回に運んでくるのは2種類かせいぜい3種類程度の魚。それでもその日の献立に悩んでいる時は、実に助かる。
値段は公設市場で買うのと同じで、例えばフィリピンで一番人気のある大衆魚のミルクフィッシュだと、1キロ300円ぐらい。日本では魚の値段なんて、あまり気にしたことがないけれど、これはかなり安い。ミルクフィッシュ以外には、日本でもお馴染みのアジやイトヨリ、カマスなど。たまにラプラプなどの高級魚も。エビ、カニ、イカも持って来てくれます。高くても一回の購入額はせいぜい500円というところ。
玄関先まで来てくれる食材の行商。マニラ首都圏などの大都市ではどうなのか分かりませんが、ここシライでは生活の一部。私が子供の頃には、日本の住宅地でもよく見かけました。軽トラの荷台に棚を取り付けて、毎日たくさんの野菜やお肉に魚を売りに来ていた八百屋さん。最寄の駅前が再開発されて、ダイエーが進出してきた1980年代を境にして、いつの間にか来なくなってしまいました。
ここシライでも、生鮮食料品を売るスーパーが新たにできたり、かなり大きなショッピングモールが開店を控えていたりと、30年前の日本の地方都市のような状況に。もう何年かしたら、やっぱりここも日本と同じようなことになるんでしょうか。それはちょっと寂しいですね。
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