突然真夏、枝の主日
クリスチャンではない人には、別にどうでもいいお話ですが、今日(2017年4月9日)は「枝の主日」。フィリピンでは英語で「Palm Sundy」(ヤシの日曜日)と呼ばれる祝日です。毎年、この日には同じテーマで投稿しています。
今年は、この日フィリピンで用意される、手作りの十字架について。
元々は Palm Sundy の名称の由来は、イエス・キリストのエルサレム入城を、市民がナツメヤシの葉を持って迎えたという新約聖書の記述から。フィリピンのカトリック教会ではこの日、各々が手作りしたココナッツの葉の十字架を持ち寄ります。この十字架に神父さまに祝福してもらい、持ち帰って自宅の祭壇や、扉に飾ったり。まぁ、一種の魔よけみたいな感じですね。
我が家では、前日に家内がメイドのネルジーに手伝ってもらい、たくさんの十字架を用意しました。実はこの作業、私たちが移住してからは初めて。今まで、人にもらったりしてサボってました。
それにしてもここ数日のネグロス島は、急に暑くなりました。数日前の投稿で、4月なのに雨が多くて曇ってばかりで「夏はどこへ行った?」なんて書いたら、その翌日から雨をもたらしていた東北モンスーンがピタっと止んで、突然の真夏。やっぱり枝の主日は、こうでないと、気分が出ません。
朝から強い熱帯の日差しの中、無事ミサを終えて、祝福されたココナッツの葉の十字架。茶色になった古い十字架の代わりに、玄関と勝手口、二階ベランダの三箇所の網扉に取り付けました。どうかこの一年、我が家をお守りください。
ところでヤシについて、少々ウンチクを垂れます。
日本のカトリックでは、Palmの訳語としてシュロ(棕櫚)を当てます。Palm を辞書で調べてみるとヤシもシュロも指すようです。ただ狭義のシュロは、葉の形状が手のひらの形をしているものを指すので、本当はヤシとは別物。そして聖書にあるナツメヤシは、英語では Date Palm で、ただのヤシともちょっと違う。なんだか混乱してきました。フィリピンでは十字架の材料になるココナッツもヤシ科ですが、またちょっと違います。
さらには、ヤシが自生する地域が少ない日本では、ソテツの葉で代用するのが一般的。寒冷地で、ソテツも手に入らない北〜東ヨーロッパでは、ネコヤナギを使ったりするそうです。どうやら、厳密に植物の種類を限定することに、あまり意味はなさそうですね。
さて、枝の主日を迎えるといよいよ聖週間の始まり。今日から翌週のイースターサンデーまでは、フィリピン人が一番宗教的になる七日間。野外ディスコやカラオケ大会も、騒々しいことは、しばらくはお休みです。
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