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驚きの大阪吹田大停電


フィリピンのネグロス島に住んで、4年と半年近く経過して、すっかり停電慣れしてしまった今日この頃。つい先日も、停電対策用に購入した発電機の修理について投稿したばかり。しかし昨日(2017/08/23)の停電のニュースにはびっくり。

午前中、フェイスブック友達の何人かが「電気止まった!」と書いていたので、最初はフィリピンのどこかで、また大規模停電でもあったのかな?と思ってしまいました。よく読むと、どうやら日本。しかも私が以前住んでいた大阪・茨木市の近くで、同じ北摂エリアの吹田市でのこと。

私が関西に住んでいた約50年間。落雷などで数分の停電はたまにあったものの、長時間と言えば阪神・淡路大震災の時しか記憶にありません。どうせ日本のことだから、長引かないだろう。ちょっと電気が止まったぐらいで、大騒ぎしてからに...と楽観的に見ていました。

フィリピン人の家内は、日本で停電があったと嬉しそう。いつも何かにつけ、日本とフィリピンを比較してため息をついているので、たまにこんなニュースに接すると、つい顔に出てしまいます。

ところが午後になっても復旧しないし、商業施設や病院などでは笑い事では済まされない状況。結局8時間から最長で12時間近くも停電状態だった場所もあったんだとか。これは完全にネグロス島レベル。しかも相当広範囲だったので、フィリピンでは一部地域の「ブラウンアウト」ではなく、広域長時間停電の「ブラックアウト」と呼ばれる規模。さすがのネグロスでも、これは年に1回あるかどうか。

こうなると、停電慣れしていない日本の悲しさ。そこそこお金に余裕のある家ならば、個人宅で発電機を用意するネグロス島。病院やホテルはもちろん、レストランやスーパー、コンビニですら自家発電が当たり前。なので、12時間程度の停電ではさほど騒がないし、不便ながらも普通に日常生活が続きます。テレビのニュースにもならない。

今回の事故でつくづく思ったのが、社会レベルでも個人レベルでも、日本ってほんとうに脆弱だなぁということ。世界的に見ても珍しいほど一般人の食事がおいしくて、交通機関は時間通り。電気は安定供給で、シャワーが痛いほど高い水圧。駅ですら洗浄便座があって、お役所では賄賂を払わなくても手続きが進む。

だから頻繁に停電がある国の方がいい、などと言うつもりはありません。先人たちが営々と築き上げてきた、インフラに関しては世界で一番便利で快適な国。そこで生まれ育った人々が、世界一の文句言いで、逆境に弱い現実は、なんとも皮肉。

おそらくこれから日本人お得意の、「犯人探し」が始まると思われます。でも電力会社やお役所、ミスをした誰かを非難しておしまい。自分と家族の身は自分で守ろう、という発想になる人は少ないでしょう。昨日は日本でも大停電のニュースを見て、そんなことを考えてしまいました。


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