ディーゼルゲート以降、逆風吹き荒れるディーゼルエンジン。
でも、あの燃費性能の良さとトルクフルな走りは一度乗ると病みつきで、無くなって欲しくないなって思っています。
また、広い目で見てみるとCO2排出量の少なさではガソリンエンジンよりも優位性があり、メカ的な信頼性や普及性といった点ではフルEVよりも圧倒的に有利なのは、周知の事実かと思いますが。
純粋なディーゼルエンジンでは、NOxの実走行排出量(RDE; Real Driving Emission)に問題があるのも、これまた事実。
ですがこれ、もうその解消は時間の問題なのかもしれません。
以前も書いた記憶がありますが、その解消に用いられるのは電動化技術。
ずばり、48VマイルドハイブリッドやPHEVによって、NOxを大幅に低減させることができるようになるのです。
しかも、元々少なめなCO2排出量を、さらに少なくすることも可能になります。
順に、見ていきましょう。
まず、48VマイルドハイブリッドによるNOx低減化技術から。
Beste Derさんの投稿 2018年10月12日金曜日
こちら、コンチネンタルによる新技術になります。
内容としては、48V電源を電気加熱式触媒(EMICAT)に用いることで、触媒を瞬時に温めてコールドスタート時の触媒活性化を促すことで、最もNOxが出るその状況を限りなく縮めることが出来るようです。
また、48VマイルドハイブリッドということでBSGも併用されますが、そのモーターアシストとEMICATのヒーティングを最適化することで、NOxが排出されやすい走行シーンにおける実排出量を減らすことにもつなげられるようです。
そんなこんなで、一般的なEURO6車両と比べて、RDEにおけるNOx排出量は60%も低減することが出来るんだとか。
もちろんBSGによるCO2排出量低減効果もあり、4%ほどのCO2削減にも貢献します。
続いては、ディーゼルPHEV。
こちらについては、実車が既に出てきました。
(しかも普及モデルで!)
メルセデスベンツCクラスのディーゼルプラグインハイブリッド『C300de』となります。
13.5kWhのバッテリーにより56~57kmのEV走行が可能なこちら、トータル出力306HP&700Nm(!)という鬼トルクもあって、スポーツモデルでもないのに0-100km/h加速が5.6~5.7秒という俊足っぷり。
ヨーロッパでは都市部でNOx対策のためにディーゼル進入禁止(とは言ってもEURO4とか古いモデルですが)となっているようですが、それこそそういう都市部でEV走行すればまったくNOxを排出せずにクリーンなわけで。
そして、郊外などの長距離ではディーゼルエンジンで燃費よく(=CO2排出量を少なく)走りつつ、バッテリーへ蓄電することもできるわけで。
何より、極低回転で最大トルクを発生するモーターと、元々トルクが太いディーゼルエンジンのコラボは、発進から相応の回転数までトルク出っぱなしな走りを楽しむこともできるということにもつながります。
このように環境的にも走行特性的にも、ディーゼルとプラグインハイブリッドは相性がいいんですよね。
そんなわけで、クリーンディーゼルの走りに魅了された身としては、消えてほしくないこのエンジン。
ここ最近はNOxにばかり目が向けられ、そしてやり玉に挙げられてしまっておりますが、現実的な気候変動の防止(温暖化対策)には、ディーゼルという資産を活用することも必要なんですよね。
冒頭でも触れた通り、全体的な環境性能の底上げには普及性が求められるのですが、それにはこれまで内燃機関が培ってきた信頼性と、ある程度のコストパフォーマンスが必要ですから。
もちろん電気自動車も改良が続けられて、いつかは信頼性やコスパで内燃機関に追いつき、そして追い越す時代が来るのかもしれませんが、それまではやはりこのディーゼルという資産は有効活用すべき・・・というか、しなければならないと思います。
そんなこんなで、個人的な趣味嗜好に加え、NOxのみならずCO2削減という地球全体の環境保護の為にも、こうやってディーゼルに乗り続けられる電動化技術が続々出てきて、さらなる普及がされることを祈っております。
んでは!
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