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バブルは通常、プロが儲けた後ババを素人に押し付けてカモにするのが一般的だと思うけど、サブプライムではカモは金融機関などのプロばかりで、得したのは踏み倒した低信用者というのが面白い。
��いや、踏み倒した人は家を追い出されたり借金漬けになってそれなりに酷い目にもあってるわけで、本当に勝ち逃げできたのは、浪費の対象のモノやサービスを提供した企業や、証券化して手数料を抜いた輩だったということか)

しかし振り返ってみれば、このようなことは今回が初めてではなく、LTCMの時もそうであったのに気付く。
あれは一言で言えば、普段から手数料目当てで顧客の資産増加のことなんてちーっとも考えていない投資信託を顧客に売りつけていた金融機関自身が、まったく同じ手法の商品をLTCMから買って大損した、という間抜けな出来事でした。

サブプライム問題も、本来リスクの高いはずの低信用者への貸し出し債権を、格付け会社やら保障機関やら他の債権とミックスする等によって、見かけ上にローリスク(になると考えられていた)にしたせいで、利回りがいいのに低リスク(ローリスクハイリターン)に見える金融商品が出来て、それを喜んでプロが買ったら、やっぱりリスクが具現化して大損したという出来事です。

ローリスクハイリターンがありえないことなんて、プロが一番良く知っているはずなのに、何でこんなことが起こるのかを考えると、思うにプロは金融工学などの技術的な要素に偏りすぎていて、いろいろなスキームをこねくり回しているうちに、いつしか本質が見えなくなってこういうことが起こるのでは。

投資判断は技術的な要素もあるけれど、どちらかというと評価者がどういう未来を思い描くかという「芸術的要素」の方を重視すべきだと私は思っているのだが、プロは100%技術で判断してそう。

それで失敗したところを見ると、やっぱり投資判断は株だったらその会社が好きかとか、そのビジネスを自分でもやりたいと思うか、といった主観的な要素、つまり「オレはいいと思う」というシンプルな思いをメインにして、数字いじりによる判断はサブ的に利用するのが正解なのでは。

もちろん、プロはほとんどの場合人のお金を預かっているわけだから「オレがいいと思う」なんていう理由で投資判断できないのは分ります。
その点、個人投資家は突っ込んでるのは自分のお金だし、それが出来る訳だからそうした方がいいと思う。

ファイナンスの知識は、あくまで市場にいる「大人」がどういう思考で投資行動をとっているのか?ということを理解する程度に使い、それに100%頼った投資判断は危険だということを今回の騒動を見て思いました。

磨いだ刀は使いたくなるものだけど、そこはぐっとこらえて、シンプルに考えて行きたいです。


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