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だいぶ前に「スリッパの法則」という本が少し話題になりました。この本は現役ファンドマネージャーが企業訪問して分った伸びない会社の法則をまとめた本ですが、その中に「社員にラジオ体操を強制する会社は伸びない」という法則がありました。

自分は立ち読みで少し読んだだけなのでうろ覚えだけど、その理由は
「そんなダセェことしたくねぇよ!」
と社員が言い出せない雰囲気があるからそれが続いているわけで、それは会社の風通しの悪さを端的に表しているから、という理由だったと思います。

自分の感想は、それもあるとは思うけど、

そもそも社員の運動不足にラジオ体操させるような会社は仕事中は持ち場に縛り付けられているから運動不足になる

持ち場に縛り付けられているのは年俸制などの成果主義よりも”時間給”という労働集約的な仕事だから

付加価値の低くて差別化できなさそうなビジネスだろうと予想できる

という訳でそんな会社はイマイチかな、と思います。

このようにあらゆる事実は偶然にそこにあるのではなく、その背景にはその事実に至る意外に深い理由があるものです。

そう考えると企業の不祥事というのは看過できないものがあります。
その裏には必ず冗談ではすまないほど深刻な、組織の悪い慣習や統制の乱れがあるはずだからです。

それに、そもそも組織とは誰か個人がそういうミスを犯してもそれをカバーするためにあるはずなので、それが外に出てきてしまうということはそのフェイルセーフ機能が働いてないことを証明していることになります。

従って、私は持ち会社がもし不祥事を起こしたら
「しょうがねぇなあ、反省してこれからはしっかり頼むぜ」
なんてヌルいことは考えずに相当厳しく見ます。

それに、一つのアクシデント(この場合には不祥事)にはその30倍のインシデントがあり、インシデントを引き起こす誘因はその10倍(アクシデントの300倍)もあると言われています。

そのインシデントのうちのいくつかが、今後アクシデントに発展するのはめちゃくちゃ有り得ること。
「二度あることは三度ある」ということわざは単なる経験則ではなく必然なのですね。

なので、そんな会社はどうせまたやるに決まってますから、そんな株はイヤーな気分で持ち続けるよりも、アイタタタ(>Д<)と思いながらもバッサリ成り売りが吉と思います。

P.S.
ちなみに不祥事が多い組織といったら、やっぱりダントツで警察と自衛隊ですね~。絶対なくならない、という緊張感の無さが腐りきる諸悪の根源なんかね?
(´・ω・`)

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スリッパの法則―プロの投資家が明かす「伸びる会社・ダメな会社」の見分け方 (PHP文庫)/藤野 英人

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