サブプライム問題は少し解決に向けて進展はあったけど、だからと言ってすぐに景気回復は見込めません。
そのため株はもう少し低迷するとは思うのですが、ではどこまで下がるのか?というのが一番みんなの関心のある点です。
この点についてサブプライムは米国版のバブル崩壊であるので、日本のバブル崩壊の例に習って、日経平均が38000から7600円まで約80%も下がったから、NYダウは14000ドル→2800、ハンセン指数は31000→6200まで下がるんじゃないか?と単純に考えたくもなるけれど、そこは少し事情が違うと思います。
というのも日本のバブル崩壊当時は、日本は世界中から奇跡の成長国として羨望の眼差しでした。それを如実に表しているのが当時の日経平均PERで、なんと約60倍もありました。
成長期を過ぎ、安定したキャッシュフローが稼げるようになった会社のPERは大体15倍くらいになります。なぜ15倍なんだ?の理由を説明しようとすると、1日くらいのセミナーを開催することになるので完全に省略しますが、とにかく大体15倍になります。
※ちなみにセミナーやって欲しいという需要はあるのかな・・?もしあったら右のフォームからリクエスト是非(´ー`)。
つまりその当時日経平均がPER60倍だったということは、当事の市場参加者のコンセンサスは「日本はまだまだ今の4倍は成長するぜ!(そうするとPER15倍になる)」となり、その上、その成長分を既に株価は織り込んでいたということになります。
そこまでの成長はいくらなんでもムリでは!という指摘ももちろんあった。
でもそんな警鐘も
「日本は株式持合いがあって流通株式が少ないからPERは高くなるのだ!これでいいのだ!」
などと意味不明な理論で正当化がされていたようです。
こんな状態で突然バブルがはじけたものだから、幻想として織り込まれた分(PER60→PER15)は一気に剥げ落ちます。つまりこれだけで株価は75%下落してしまいます。さらに相場は常に少しオーバーシュートするし、株価が下がって実際に不景気になるしで結局80%下がった、という感じだと思います。
ところが、今のハンセン指数はどうでしょう。昨年の超高値の31000の時でもPER20倍ちょっとでした。そして直近では11倍です。
中国はまだ成長中ですが、これは既に安定期に入った場合のフェアバリューの15倍をも下回っています。
高値当時の中国企業の収益に投資収益が入っていたのは考慮するべき点ではありますが、それにしても自分的には昨年の超高値の時でも「ちょっと高いなぁ」という程度でバブルと言うほどではなかったと思います(上海はPER40倍くらいあって確かにバブルだと思いました)。ひょっとすると、なにも無ければ40000ポイントは超えてたかもしれません。
これらのことから、中国の成長率が来年に突然-20%とかになるなら話は別ですが、ハンセン指数が日本のバブル崩壊をなぞって6000ポイントまで下がるというシナリオは、可能性が0ではないですけど、いまいちリアリティが低いのでは、と思います。
ちなみに日本に関しては、直近でPER15倍となっていてフェアバリューのど真ん中です。
でも多くの企業の来期以降の業績が多少下がる可能性が高いことと、既に日本が世界から成長市場とみなされなくなったと考えると後10%~20%程度は下値余地を感じます。
その場合は玉も石も無く売られるので、良い会社は絶好のキャプチャータイムとなると思います。
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