最近のこのひどい下落はまったくもって予想外。
自分もこんな事態はまったく予想しておらず、自分の予想は、これまで以下のような展開かなぁと思っていました。
ネット時代になったことで情報が一瞬で末端まで伝わるようになった
↓
すると人々の感情が一方向に揃いやすくなり、下げは以前より速度が速くなる。
↓
すると、今までの不景気時よりもずっと早く株価はパニック的に下げきって、その後は実態経済の景気底打ちまで底を這うような展開
という感じかなあと。
そう思って、リーマンショックの時に結構買い込んだんですが、これは間違いで、結果は以下のように違うほうに動いているように見えます。
ネット時代になったことで情報が一瞬で末端まで伝わるようになった(正解)
↓
すると人々の感情が一方向に揃いやすくなり、下げは昔より速度が速くなる(正解)
↓
すると、企業は時価会計のため下がった資産の引き当てをしないといけないので、短期間に激しく業績が悪化する(予想以上)
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その業績悪化のニュースがネット時代になったことで、一瞬で末端まで伝わる(最初に戻る!)
まさにデススパイラル。もう少しみんなが希望を持てば実際はそこまでひどい目に会わないのに、将来を悲観することでその悲観が現実になっているように見えます。まるで世界が終わる!と不安を煽って集団自殺する終末宗教団体みたいです。
さらにテクニカル的にも、これは100年に一回の大惨事なんだから、株価も為替も何がなんでも最大の下げ記録作るんだ!という決意?みたいなものを感じるのですが。
これはもう、バブル崩壊を通り過ぎて「逆バブル」のように見えます。
まあ結局、原油価格にしろ、株価にしろプライスが実体価値に多大な影響を及ぼしてしまっているという事なのですが、こういう現象を見ると価値判断にプライスが影響してくるCAPMは、今までバカにしていたけど意外に市場の本質も捉えてるいいモデルなのかも、などという考えまで起きてくる始末です。
今思うにこうなってしまったきっかけは、不良債権の買取り法案が否決されたのがマズかったのでは。あれでデススパイラルへの突入スイッチが入ってしまったような気がします。
それでも、不良債権の買い取りやら金融機関への資本注入やらを世界規模で協調してこの速度で実現させるアメリカはやっぱりすごいし、日本にはとても出来ないことだと思うけど、市場の不安モンスターはそこはまったく評価してくれてないみたいです。
こうなると、今はとにかく全ての記録を塗り替えるまで気がすまないという感じですので、何もしなければバリューや合理性を全く無視して、NYダウが半値八掛け2割引まで下がったり、ドル円が79円割ったりするのも現実味が出てきてしまいます。
この連鎖を断ち切る一つの方法として、資産の計上に時価を使うのをやめればいいという方法があって、会計方法を修正しようかという話が出てきてます。
でもそれじゃあ簿価会計に戻す?と言っても簿価は簿価でよくない点があったから時価になったのであって、単に簿価会計に戻しても市場の不安モンスターはよけい増長しそうです。
これを解決するには、自分が思うに簿価と時価の中間的な会計がいいのではと思う。例えば、資産を価値判定で計上したらどうかと思います。
不動産ならキャッシュフローから法定割引率のようなものを作って、これで割り引いて計上する。株なら時価でなくて、これまた法定割引率と、標準モデルから求めた理論株価で計上するとか。手間はとてつもなく増えてしまうけど、何らかの中間的な会計に改良しないと、今のようなデススパイラルが将来再び起きることは確実だと思います。特に情報化社会はそれを助長する負の力があります。
もうひとつ、こちらのほうがカンタンだと思う方法があります。
それは、不安心理を除いたと考えた時、今の株価が割安な水準なら、政府が買えばいいと思います。
こうすれば、市場は下値メドがはっきりして、不安心理が薄らいで勝手に落着くかもしれないし、国民は税金で株を買うことになるけれど、割安な株を買うのだから長期的には多分損はないと思います。
現実に今は安定したキャッシュフローを創造する力があるにも関わらず、PER6倍、PBR0.5倍なんていう株がごろごろしています。
こんな株ばっかりでポートフォリオ作って長期で損するほうが難しいと思います。
さらに買い込んだ株は、今度は逆にまたバブルの兆候が出てきたら冷やし玉にすれば、経済の安定にも利用できますし、国民の税金がそこで利確されます。
これだと誰も損しないと思うのですが、どうでしょう。
以前日本のバブル崩壊時に、金融機関の持ち株の買取機構とかあったし、法的にも可能なんじゃないかな?
世界規模でやれば効果抜群かも。
まーページビュー100くらいのブログでこんな主張したところで、何か変わるという気はしませんが、独り言として書いてみました(´ー`)。
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