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妻の鍼灸院の顧客(患者)である
アメリカ人・Mr.Moonに招かれ、
家族で天王洲にある新居にお邪魔した。
アメリカ人には概して社交的な人が多いが、
全く面識のないぼく(&息子)を含めて
かかりつけの鍼灸師一家を家族ぐるみで招待し、
自身の手料理を振る舞い、
英語のできないぼくたちのために
わざわざ通訳まで用意してくれるという
篤いもてなしぶりには恐縮した。

Mr.Moonは41歳、
ネット広告のソフトを作っている会社の社長で、
この部屋をオフィスとして
一日のほとんどを過ごしているという。
顧客の大半はアメリカ企業だが、
日本が好きで日本で暮らしているこだわりの人だ。
日本人の彼女ができて、
今年の初めから天王洲のアパートで一緒に住んでいる。
初めての客に家の隅々まで見せるのは
あちらの人に共通した風習だが、
モダンな新築のアパート(1LDKで80㎡超)に
風水などの東洋趣味を生かしたインテリアは
なかなか凝ったものである。
妻はすっかり羨ましがって、
「恥ずかしくて我が家には呼べないね」とぼくの耳元で囁いた。
湾岸の風景が一望できる窓の大きな寝室も素晴らしいものだが、
お風呂もすべて透明ガラスの素通しなのには笑ってしまった。
Mr.Moonの彼女はまだ若いからいいが、
古女房の入浴姿を眺めながらでは
せっかくの酒もまずくなりそうではないか(笑)。
もっとも、
Moon氏自身は体質的に酒は一滴も飲めないというのだが…。

ぼくが感嘆したのは
最上階(12階)のMoon氏の部屋には
ウッド・デッキの広い屋上がついていることで、
ここから見る品川運河あたりの夜景は実に魅力的である。
夏の日、ここで風に吹かれながら
ビールを飲んだら旨いだろうな…と思った。
酒飲みの想像力というのは、
いつも自分が酒を飲んで
心地いいかどうかを基準に働くものらしい。
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